米軍の日本語への翻訳と進路図の見方

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米軍JTWCのtropical warningsの見方と日本語への翻訳

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maria

 本稿では、アメリカ米海軍が公開している台風情報の英文テキストを日本語へ翻訳しながら、記されている内容の意味を指南して参る所存。

上の動画は、不肖この私めが解説させて頂いています。

米海軍の台風情報の見方と日本語への翻訳

 さて、前章の引用で表示した画像で公式米海軍ウェブサイトの台風8号の進路情報を示したテキスト文を表示しているが、英文表記なので、スラスラ読める方は少ないと思われる。

そこで本稿で責任を持って、米軍合同台風警報センター( JTWC )の英文テキストを日本語に翻訳させて頂く。

合同台風警報センター( JTWC;Joint TyphoonWarning Center )は、アメリカ海軍とアメリカ空軍がハワイ州真珠湾海軍基地の海軍太平洋気象海洋センターに共同で設置した機関である。

【 引用ここまで↑出典:ウィキペディア 】

台風10Wマリア警告#23回目の情報発信の和訳であるが今後、更新で画像を入れ替えても翻訳文は、そのままで変更はしないので数値だけ入れ替えて戴ければと思う。

maria

一番、上段の「 SUPER TYPHOON 」は、スーパー台風もしくは「 超熱帯低気圧 」と訳しても良いが、日本を含む太平洋北西部( 日付変更線以西 )の場合、4段階に分けられる。↓

JTWC米軍の太平洋北西部の台風の呼び名と数値の一覧
英表記 カナ表記 最大風速( Kt ) 最大風速( m/s ) 強さの階級( 気象庁 )
Super Typhoon スーパー・タイフーン 128ノット以上 65m/s以上 猛烈な( 54m/s以上 )
Typhoon タイフーン 64~127ノット 33~65m/s 強い( 33m/s )~非常に強い( 44m/s )~猛烈な( 54m/s以上 )
Tropical Storm トロピカル・ストーム 34~63ノット 17~30m/s 「 強い 」に満たない
Tropical Depression トロピカル・デプレッション 34ノット未満 17m/s未満

ちなみに、風速は日本の気象庁が定める台風の「 強さ 」の階級とも連動しているので以下に示す。↓

台風の強さの階級分け 」より引用↓

強い:33m/s( 64ノット )以上~44m/s( 85ノット )未満

非常に強い:44m/s( 85ノット )以上~54m/s( 105ノット )未満

猛烈な:54m/s( 105ノット )以上

【 引用ここまで↑出典:国土交通省・気象庁 】

スーパー・タイフーンの後の番号、10はJTWCが付けた台風固有の続き番号だが、日本の気象庁とは連動していないので必ずしも「 台風◯号 」の数字とは一致しない。

番号の後の「 W 」は日本を含む北太平洋西部( WEST )の意味で、「 #23 」は10Wの台風マリアの「 更新が23回目の警告【 WARNING 】 」という表示の意味になる。

WTPN( Warning Tropical cyclone Pacific North )は、「 北太平洋の熱帯低気圧の形成警報 」という意味で「 32 」は米軍の通信で使用されている番号である。

風速の数値をノット「 Kt 」から「 m/s 」に変換するには、1ノット( Kt )=0.51m/sなので単純にノット数×0.51でも構わないが、気象庁の一覧表示でも、変換表が公開されている。↓

PGTWは( Pacific Guam Typhoon Warning Center )であり、「 グアム台風警報センター 」の意味である。

8日午前9時「 z( Zulu time )」( ”z”の表記は協定世界時の、
UTC:Universal Time Coordinates 》なので日本時間の
JST:Japan Standard Time・日本の気象庁が採用 》に直すには時差+9時間を加える事になるので午後6時となる )

位置:北緯( 緯度 )19.8度で東経( 経度 )は137.8度付近になり、Google地図で示すと以下の場所。↓

方位角( 真北を0度とした時計回り )305度【 DEGREES 】の方角を保ちながら、12ノット( 1knotノット=1.852km毎時約19キロ )の速さで移動【 MOVING 】する意味だ。

MAXIMUM SIGNIFICANT WAVE HEIGHTは、最大有義波高波浪に関する波の高さ )の意味で、40フィート/FEET( 1feet=30.48cm・0.3048m )なので12メートルになる。

  • 8日6時z( UTC ⇒ JST表記=午後3時 )
    • 風135ノット( 風速:70m/sメートル )
    • 突風165ノット( 瞬間最大風速:85m/sメートル )
  • 7日18時z( UTC ⇒ JST表記=8日午前3時 )
    • 風135ノット( 風速:70m/sメートル )
    • 突風165ノット( 瞬間最大風速:85m/sメートル )
  • 9日6時z( UTC ⇒ JST表記=午後3時 )
    • 風125ノット( 風速:65m/sメートル )
    • 突風150ノット( 瞬間最大風速:75m/sメートル )
  • 9日18時z( UTC ⇒ JST表記=10日午前3時 )
    • 風120ノット( 風速:60m/sメートル )
    • 突風145ノット( 瞬間最大風速:75m/sメートル )
  • 10日6時z( UTC ⇒ JST表記=午後3時 )
    • 風115ノット( 風速:60m/sメートル )
    • 突風140ノット( 瞬間最大風速:70m/sメートル )
  • 11日6時z( UTC ⇒ JST表記=午後3時 )
    • 風75ノット( 風速:40m/sメートル )
    • 突風90ノット( 瞬間最大風速:45m/sメートル )
  • 12日6時z( UTC ⇒ JST表記=午後3時 )
    • 風40ノット( 風速:20m/sメートル )
    • 突風50ノット( 瞬間最大風速:25m/sメートル )
  • 13日6時z( UTC ⇒ JST表記=午後3時 )
    • 風30ノット( 風速:15m/sメートル )
    • 突風40ノット( 瞬間最大風速:20m/sメートル )

CPA_TOは( Closest Point of Approach )の略語で日本語訳は「 最接近点 」の意味である。

NMは( NAUTICAL MILES )の略で海里を示し、1NM=1海里=1.852kmという計算式でキロ換算でき、地球上での緯度1分( 60分の1度 )の長さに相当する。

1ノット( kt )は1時間に1海里進む速さです。

DTGは( Date Time Group )日時だが協定世界時( UTC:Universal Time Coordinates )を使用しているので先程も示した日本標準時であるJST( Japan Standard Time:日本の気象庁が採用 )に修正するには+9時間を足す必要がある。

《 公式米海軍ウェブサイトが示す台風8号の進路予想図の日本語訳 》
CPA_TO:最接近点 日本語訳 NM:海里 DTG:日時
KADENA_AB( Air Base ) 嘉手納飛行場 170海里( 314.84km ) 7月10日午前3時( 昼12時 )
KAOHSTUNG 台湾南部の高雄市 206海里( 381.512km ) 7月10日20時( 11日5時 )
TAIPEI 中国の首都・台北市 42海里( 77.784km ) 7月10日20時( 11日5時 )
HONG_KONG 香港( 中国特区 ) 382海里( 707.464km ) 7月11日10時( 午後7時 )

IWO_TOBEARING AND DISTANCE )は方角( 方位 )と距離を言い表している。

そして、DIR( direction )は方位角を表し、表記では214度になる。

つまり、214°の方角は南南西( 202.5° )と南西( 225° )の中間の方向だという事になる。

米軍TC WARNING GRAPHICS

DISTは( distance=NM )は距離を表し、上の英文表記だと357海里となる。

TAU( HRS )何時間後に到達するかの表記で0の数字は0時間後という意味だ。

正直、不肖この私めはあまり頭が良くないので中学校時代、高校時代は英語のテストはガチで、「 おまんじゅう 」を何度も取っていたので公式米海軍ウェブサイト台風8号の日本語訳に不備が出ているかも知れない。(^_^;)

もし、台風8号のアメリカ海軍の英文からの日本語訳が間違っていたなら遠慮なくお問い合わせを、して頂ければと思う。

ちなみに、マリア[ maria ]という台風の名前は米軍が付けたネーミングでは無く、「 台風委員会 」というアメリカや日本を含む14の国々が加盟する国際機関が、140有るストック名の中から発生順に付けて行く仕組みになっているとのことだ。

公式米海軍による台風の予想進路図の見方

JTWC熱帯警報TC警告グラフィック 」より引用↓

米軍JTWCの韓国への進路予想図

【 引用ここまで↑出典:米国海軍の公式ウェブサイト海軍気象海洋コマンド 】

ちなみに、上記画像は2020年の台風10号の米軍JTWCによる予報円だが、赤色と青色の3つの円の見方は下記にまとめて記したので、ご確認を頂ければと思う。↓

  • 外側の赤円34ノット( 17.476m/s )
  • 内側の赤円50ノット( 25.7m/s )
  • 中心の青円64ノット( 32.896m/s )( 無いものはトロピカルストーム )
  • 一番、外側の青い網目は暴風警戒域か進路のブレ幅

以下は、米軍JTWC公式サイトによる風速半径の説明

よくある質問 」より引用↓

Q:風速半径は何を表していますか?JTWC予測製品に含まれる、または含まれないのはどの場合ですか?

A:風速半径は、熱帯低気圧の中心から測定された海里単位の最大距離を表し、熱帯低気圧に関連する注釈付きのしきい値表面風速値( 34、50、および64ノット )が象限ごとに広がります。

【 引用ここまで↑出典:Official U.S. Navy Website
Naval Meteorology and Oceanography Command 】

昔は「 台風一吹き千人 」などと言われたものだが、情報通信技術が発達した現代でも油断は出来ない。

沖縄嘉手納基地:共同台風警告センター公式米海軍ウェブサイトが発表した台風8号マリアの2018年の進路予想図の最新情報を貼る。↓

maria

【 引用ここまで↑出典:JOINT TYPHOON WARNING CENTER 】

2018年の台風8号の速さは、毎時30km/h( 16kt )で、
北西北の方向に向かっていると予報された。

米軍の台風8号の進路画像だけだと日本の、どの位置に?
という表記が無く、分かりづらいので補足情報として
Kadena 」と記されている場所をGoogleマップで。↓

つまり、沖縄県の本島全体の下から3分の1の場所に
Kadena 」と表記されている米軍の嘉手納基地がある。

台風8号の情報で、公式米海軍ウェブサイトの画像は
マリアが沖縄へ最接近するのは7月10日頃と見られる。

日本の気象庁の台風8号の経路図と米軍の
示す進路図が殆ど同じで、11日に台湾を通過して
中国本土に上陸するという進路予報図までもが
ピタリと一致している
のである。

「 上記の英文テキストの意味が分からなくね? 」
と思われる、あなたの為に次章で内容全文を
日本語に翻訳した詳しい説明を、させて頂く。

気象庁発表の2018年7月10日午前6時の予報

 前章では台風8号マリアの最新予想図を、
沖縄嘉手納基地・公式米海軍ウェブサイトの
共同台風警告センターから、引用した。

本章では気象庁の公式ホームページから出されている
情報で沖縄本島に最も急接近する2018年7月10日
午前6時の天気予報
が出されているので、シェア。↓

台風第8号マリア経路図 」より引用↓

2018年7月10日AM6時の予報
強さ・非常に強い
存在地域・宮古島の東南東約310km
予報円の中心・北緯 23度35分( 23.6度 )
       東経 128度00分( 128.0度 )
進行方向、速さ・西北西 30km/h( 16kt )
中心気圧・925hPa( ヘクトパスカル )
中心付近の最大風速・50m/s( 100kt )
最大瞬間風速・70m/s( 140kt )
予報円の半径・110km( 60NM )
暴風警戒域・全域260km( 140NM )

【 引用ここまで↑出典:気象庁 】

上の引用の記述で、「 中心付近の最大風速50m/s 」
とあるが50m/sの数値は、たいていの木造家屋が倒れ
樹木は根こそぎ倒されるという程度の大きさだ。

それでは、中心気圧の925hPa( ヘクトパスカル )
とは、どの程度の大きさの台風かと言うと先程の
風速50m/s以上と平行して「 猛烈な台風 」となる。

本稿は随時、更新し続けているがここ数日で中心気圧の数値( ヘクトパスカル )は上昇の一途を辿っていることが分かる。

気象庁の現段階での公式発表で7月10日午6時の予報は、
非常に強い台風 」になる、という予報なのである。

もう一度、繰り返すが本章での説明は気象庁の発表で、台風8号マリアの予想がされているという事を、お伝えしておく。

予報業務許可事業者に関するお断り

 上記の「 予報業務許可事業者 」に関する、
お断りは天気予報の記事を投稿する度に綴っている。

不肖この私めの様な個人が勝手な思いつきや、
気象庁長官の許可を受けずに天気予報の
観測装置を用いて、ブログなどでデジタル
公衆送信する行為は違法行為である。

しかし本稿の様に、気象庁や公式米海軍ウェブサイトの
1次情報を基にして生成する2次情報コンテンツの場合、
予報業務許可事業者の資格は必要ないので念のため。↓

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