2019年10月の台風19号ハギビスによる記録的な大雨の影響で、
国土交通省北陸地方整備局は、13日午前6時に長野県長野市北部の
穂保( ほやす )地区の千曲川左岸で、「 堤防が決壊した 」と
発表したが、決壊箇所の場所がどこかをGoogleマップで表示する。
【 本稿の記事ページの目次 】
千曲川が氾濫した決壊場所をGoogleマップで
上が、13日の午前6時30分に決壊した箇所の画像だが、住所地が
長野県の長野市大字穂保地区948から951の千曲川左岸だ。
決壊箇所:長野市穂保地区( 千曲川左岸 )決壊幅:約70m
浸水状況:浸水深約2m/応急復旧対策:現在、復旧準備中
決壊による浸水被害で冠水、氾濫した長野市北部の穂保地区は、
殆どの家屋が、2階部分の屋根が見えるのみの状態で水没している。
千曲川の決壊箇所から増水した濁流が流れ込んだ場所が
どこかを、Googleマップで以下に表示する。
上は、穂保地区の詳細地図だが以下に広域のGoogle地図を。↓
ニュース映像を見ると、かなり大規模な水害が起きているが、
国土交通省北陸地方整備局は、今月27日の復旧完了を目指すとしている。
Google地図では大まかな千曲川の決壊場所を示したが、ではもっと
細かく具体的な決壊位置を申し上げると「 長沼公園の脇 」である。
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長野県の千曲川が決壊した場所は長沼公園の脇
では次に長野県の千曲川が決壊した場所が、どこかをGoogleアースでもう少し詳しく特定する。
河川が氾濫した穂保地区の決壊箇所は、70メートルであると
発表されているので上の地図画像が、まさに詳細な決壊場所となる。
一番、近い場所には「 守田神社 」と「 長沼公園 」があり
広域のGoogleアースで見ると、以下の地図画像となる。↓
テレビの報道番組で映し出されている千曲川左岸の決壊場所の脇に、
2階部分の屋根が見える建物が「 長沼体育館 」である。
上のGoogleストリートビューが、まさに決壊した堤防の位置そのものであるが
堤防の向こう側、つまり画面の奥に千曲川がある。
堤防の上から決壊した場所を見ると、アスファルトの道路が走っているが
画面の左側に千曲川が流れている。↓
千曲川の堤防が越水した時間は13日のいつ頃?
千曲川の堤防が越水した時間を国土交通省、北陸地方整備局の監視カメラが克明に捉えている。
朝日新聞社が公開している上のカメラ映像を見る限り、千曲川の越水が
始まった時間は2019年10月13日の午前1時35分ごろからとなっている。
あくまでも「 越水 」の開始時刻であって「 破壊 」された時間ではないので、誤解なきように。
決壊した堤防から千曲川までの距離は何メートルか
千曲川の堤防が決壊した場所の近くは、長野市立長沼公民館や
長野市役所長沼支所が入る建物もある、閑静な住宅街となっている。
もう一度、千曲川の堤防が決壊した場所をGoogleアースで示すが
実は堤防のすぐ脇に千曲川が流れているわけではなく、りんご畑が広がっているのだ。
決壊した堤防から千曲川までの距離は283.67m( 930.67フィート )もあり、
その間には田畑が広がっているが増水した雨水は、いとも簡単に乗り越えてきたのである。
また、水と一緒に凄い量の「 泥 」も堤防を乗り越えて住宅地に侵入してきている。
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冠水した北陸新幹線の車両基地の場所を地図で
7基の車両が冠水した北陸( 長野 )新幹線の車両センターの脇には
「 浅川 」が流れるが、浸水の原因は千曲川が氾濫したことに拠る。
上の地図画像が長野県長野市大字赤沼2010-1にある長野新幹線の
車両センターで、千曲川からは直線距離で1.27キロ離れている。
冠水した北陸新幹線は1基( 編成 )の製造費が33億円もかかり、合計で10基( 編成 )120両( 328億円相当 )が
水害に遭っているが、長野( 北陸 )新幹線の車両全体の3分の1に相当するという。
では、なぜ千曲川は記録的な大雨による河川の増水以外の原因で氾濫したのであろうか?
千曲川が決壊した原因および理由は越水破堤?
上流ダムの放流で下流の河川が氾濫するが、台風19号ハギビスの影響で緊急放流した
長野県のダムは長野県伊那市高遠町勝間にある「 美和ダム 」だけである。
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美和ダムは三峰川に繋がるが、下流に千曲川はない。
千曲川の上流は「 信濃川 」であるが、右岸の長岡市今井と大宮町付近が浸水被害に遭っている。
河川工学の専門家が、台風19号による千曲川の氾濫と堤防決壊の原因を語る。
穂保地区の堤防の整備は完了していたが、河床を深くする掘削は未実施だった。
穂保地区を本社ヘリで上空から調査した東京理科大の二瓶泰雄教授( 河川工学 )は、
「 下流側に川幅が狭いところがあり、その手前で水の逃げ場がなくなって決壊に至った可能性がある 」と分析した。その上で、「 千曲川に流れ込む支流も氾濫している。断続的な大雨で川全体の水位が上昇し、広域で浸水したのだろう 」と話した。
つまり、長野県の千曲川の堤防が決壊した理由は継続的な大雨で水位が上がったが、下流の川幅が狭いから逃げ場が無くなり加速度的に増水したとの見方だ。
国土交通省の調べでは千曲川以外にも日本全国各地で氾濫した河川は100以上あると報告されているが、
堤防決壊の原因の一つが、河川からの水が漏れる「 越水 」が起きると堤防が水に削られて弱くなり、堤防が壊れる。
この現象を「 越水破堤 」というが、増水した河川は流れが速いので堤防の内側が削られることも一因となる。
それにしても千曲川が決壊した地域に、お住まいの住民の方々は「 まさか
山に囲まれた長野県が被害に遭うなんて!? 」と晴天の霹靂だったに違いない。
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台風19号の進路は静岡県の伊豆半島付近から上陸し、関東平野を縦断してから三陸沖へと抜けるルートだったからだ。
日本がすっぽり収まった大型の台風からの湿った東風が、通過地点の西側の山間部にぶつかり、
長時間に渡って広い範囲で大雨を降らせたことで河川が増水し決壊した。
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千曲川は長野県内だけで長さが214キロ、流域面積は7,200平方キロあるが、記録的な大雨による雨量が全て流れ込んだ。
千曲川だけではないが、台風が通った場所からある程度はなれた地域の河川が増水したことに拠る浸水の被害が多く出ている。
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台風本体の暴風よりも、記録的な大雨の影響での2次被害が河川の氾濫による水害だ。
なお、あなたが火災保険に入られているのなら「 床上 」などの条件はあるが、浸水被害だけでも補償される場合があるので、保険証券がなくとも保険会社に問い合わせをされることを、おすすめしたい。