
2025年( 令和7年 )7月11日の朝の時点では、まだ次の台風5号ナーリー( nari )はおろか台風のタマゴとなる熱帯低気圧すらもない状態でしたが。
熱帯低気圧が今後24時間以内に台風に発達する見込みです。
11日15時の観測によると、熱帯低気圧が小笠原近海の北緯25度00分、東経140度00分にあって、ゆっくりした速さで西北西へ進んでいます。
同11日の午後3時に、台風5号の候補となりそうな「 熱帯低気圧a 」が、小笠原近海において発生したと気象庁から発表がありました。
上のYouTube動画「【 緊急 】まもなく台風5号が今日15日の早朝に北海道へ上陸する進路予想! 」は何を隠そう、不肖この私め自身が運営している「 台風速報! 」チャンネルのコンテンツ( 情報の中身 )です。
【 記事の目次 】
気象庁よりも熱帯低気圧の発生情報が早かった米軍JTWC
米軍JTWCは、昨日の時点で気象庁よりも数時間はやく熱帯低気圧の発生を発表しています。
TS( Tropical Storm )06W( West )が、台風5号ナーリー( nari )のタマゴとなる熱帯低気圧です。
トロピカルストーム( Tropical Storm )の表記は熱帯低気圧の区分となりますが、最大風速は毎秒17.2m/sから24.4m/sとなります。
したがって日本国内標準では、台風の既定値である毎秒17m/sを超えているので「 台風 」という位置づけです。
以下の画像が台風5号のタマゴとなる候補の熱帯低気圧の、この後の進路予想図です。↓
日本の気象庁と、ほぼ同じ進路予想図で、東北地方から北海道へ最接近する予報です。
関東地方へ最接近する予報日時が14日の午前9時( 日本標準時 )で、予想される最大風速は22.28m/s( 50KTS )となっています。
米軍JTWCの衛星画像で93Wの熱帯擾乱の警報円
上は2025年7月10日の午後3時( 日本標準時 )時点の米軍JTWC( 合同台風警報センター )の衛星画像。
北マリアナ諸島の辺りのフィリピン海の海上に「 93W 」の活発な対流活動を表す熱帯擾乱( じょうらん )が現れていますね。
警報円が黄色の意味は「 LOW/低 」を表しており、24時間以内に熱帯低気圧に発達する可能性は低いけれども監視対象の熱帯擾乱ですよ、ということです。
現時点では、北西太平洋/北インド洋、中央/東太平洋、南半球では熱帯警報は発令されていません。
つまり、熱帯低気圧の警報は発令されていないが発達の可能性は低い熱帯擾乱はありますよ、との衛星画像になります。
気象庁発表7月11日の午後3時に熱帯低気圧a発生
気象庁/公式HP「 熱帯低気圧a( 台風経路図 )」を加工して作成。
最新の進路予想図を見ますと、この後ほぼ垂直に北上して北海道へ上陸する予報に。
きのう7月11日の「 発達する熱帯低気圧に関する情報 」の中で気象庁は、「 24時間以内に台風へ発達する“見込み” 」であると、発表されていましたが…
きょう12日の午後4時05分発表の12日15時の実況では種別が、いまだに「 熱帯低気圧 」となっています。
では、いつになったら台風へ変わる予報なのでしょうか?
種別 台風 強さ -
存在地域 父島の北約110km
予報円の中心 北緯28度05分( 28.1度 )東経142度10分( 142.2度 )
進行方向、速さ 北15km/h( 9kt )
中心気圧 998hPa
中心付近の最大風速 18m/s( 35kt )
最大瞬間風速 25m/s( 50kt )
予報円の半径 110km( 60NM )
あす13日の午後3時には「 台風へと発達する 」予報。
このまま台風へ変われば、いま発生している熱帯低気圧aは自動的に「 台風5号ナーリー( nari )」に。
ただし発達のピークは、14日の午後3時の予報で最大風速が23m/sと、それほど強い勢力にはならない予報となっています。
気象庁の台風情報では5号たまご発生なし
気象庁/公式HP「 台風経路図 」を加工して作成。
上の気象庁の画像は、更新日時が7月9日の9時45分発表となっておりますが画面右下に、すでに中国大陸で熱帯低気圧に変わった台風4号ダナス( danas )が見えますね。
11日現在、気象庁からは台風5号のタマゴとなる熱帯低気圧の発生は発表されておりません。
7月20日にWindyのGFSモードで沖縄直撃の進路予想
WindyのGFSモードでは、7月20日に沖縄地方を直撃する台風5号の「 候補となりそうな 」熱帯低気圧の等圧線の進路予想図が描かれる予報が続いています。
さらにGFSにおいては台風5号の候補の他に台風6号ウィパー( Wipha )の候補となりそうな熱帯低気圧の等圧線も予報されています。
しかし私めが危惧しているのは、GFSモードのみでなく世界最高クラスの予報精度を持つと言われる、ヨーロッパ中期天気予報センターの気象予報モデルをベースとするECMWFモードにおいても、沖縄地方を直撃する台風5号の候補となる等圧線の進路予想が描かれている予報なのです。
台風の発生要素である海面水温が異様に高い
気象庁/公式HP「 海面水温実況図2025年7月9日 」を加工して作成。
昨年にくらべて今年は台風の発生領域である、フィリピン海の熱帯地域および亜熱帯地方の海面水温が異様に高いです。
しかも高温の海域が非常に広範に、およんでいることがお分かりいただけますでしょうか?
もちろん、2019年の台風16号ペイパー[ peipah ]が、いったん熱帯低気圧の状態から衰弱したように、たーだ「 海面水温が高い 」という単一の要素だけで即座に熱帯低気圧が発生して台風へと成長発達するわけではないんです。
詳しくは上のリンクから記事をお読み頂ければ分かりますが、台風が成長発達するには色々な要素が複合的に、からみ合う必要があるからです。
とはいえ海面水温が高い海域がこれだけ広いと、それだけ台風ないし熱帯低気圧へ成長発達の「 エサ 」となる水蒸気を大量に供給することになります。
そうなると、それだけ危険な過去最高クラスの強力な勢力を持つスーパー・タイフーンが発生する可能性も高まることになります。
気象庁/公式HP「 海面水温予想図7月17日 」を加工して作成。
上の画像は気象庁の海面水温の7月17日の予想図ですが、沖縄地方までもが真っ赤っかなマックス30℃の高い水温がプロット( 描画 )されています。
では、この後は海面水温は下がっていくのでしょうか?
上の画像は、約1ヶ月以上の先の8月8日の海面水温予想図なんですが…
台風が多く発生する北緯25度線の南の海域まで、真っ赤っかなマックス30℃に変わる海面水温の上昇が予想されていますね。
つまり、この後も最も熱帯低気圧および台風が発生しやすい熱帯地方および亜熱帯地方において、海面水温が上がり続ける予報であることが分かります。
つまり、それだけ過去に類を見ないほどの超ド級の猛烈な勢力の大型台風が生まれる可能性も出てくることを警戒する必要がある、非常にヤバい状態であることになりますね。
台風5号ナーリー( nari )の名前の意味は百合
2025年の次の台風5号ナーリー( nari )の名前の意味は、花の百合( ユリ )です。
39/5号/韓国/Nari/ナーリー/百合
命名国は韓国で、台風委員会の39番目に登録されている名前です。
台風の名前は花や昆虫、動物が多いんですが、ときには人の名前なども使われることがあります。
ちなみに前回のナーリー( nari )は2019年の台風6号で、2019年7月27日に発生。↑
台風5号のタマゴ( 熱帯低気圧 )が発生したら、すぐに本記事を更新しますね。