2020年( 令和2年 )の台風は10月1日現在で、まだ13個しか発生していないが、なぜ今年はこんなに少ないのか?
2020年に台風が少ない理由は強い太平洋高気圧
今年の台風は、10月1日現在まだ13号クジラが直近で14号チャンホンは、まだ発生していない。
7月までは、インド洋の海面水温が高い影響で、北西太平洋熱帯域の対流活動が平年よりも不活発になりやすい見込みです。
このため、台風の発生が平年並か少なくなる見込みです。
それほどまでに台風が少ない理由は何故かというと、インド洋の海面水温が高い影響で北西太平洋地域の高気圧が強まり、かつ大きくなることで逆に対流活動が弱まり台風の卵である熱帯低気圧が発生しにくくなったからだ。
ちなみに、太平洋高気圧の張り出しは、8月に比べて9月末はフィリピン海の東の海上に移動して縮小している。↓
ただ、太平洋高気圧が今後も小さいままの状態で東の海上に居続けるとは限らないが。
むろん、太平洋高気圧が強大な状態でも台風は発生するが、しにくくなるのが実情だった。
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インド洋の海面水温が上昇した理由はラニーニャ現象
では、なぜインド洋の海面水温が高くなったのか?
2020年8月の実況と2020年9月〜2021年3月の見通し 気象庁 地球環境・海洋部
令和2年9月10日 ラニーニャ現象が発生したとみられる。
今後冬にかけては、ラニーニャ現象が続く可能性が高い( 70% )。
それは、「 ラニーニャ現象が発生した 」からだ。
では、ラニーニャ現象が起きると台風への影響は、どうなるのか?
ラニーニャ現象発生時は、インドネシア近海の海上では積乱雲がいっそう盛んに発生します。
つまり、ラニーニャ現象によって貿易風である東風が平常時より強く吹き、インドネシア地域の西部に温かい海水が暑く蓄積されて台風の素になる積乱雲が多く発生する反面、東部の太平洋では海水温が例年よりも冷たくなるので台風が発生しにくくなる。
ちなみに、この逆をエルニーニョ現象という。
東の海域の海面水温が下がれば西が上昇するが逆もまたしかりで、このシーソーの様にリンクし合った現象をエルニーニョ南方振動だ。
では、なぜエルニーニョ現象が起きるのか?
台風発生に影響するラニーニャ現象が起きる理由は?
残念ながら,エルニーニョ現象発生の本質に関して決定的な答えはまだ出ていないのが現状です
エルニーニョ現象と、その対のラニーニャ現象が、なぜ起こるのか?
そして、なぜ貿易風である南米から吹く東風に強弱が生まれるのかは実は解明されていない。
上記に引用させていただいたサイトに書かれている仮説では、モンスーン( 季節 )風系の季節的変動により、貿易風が影響を受けて後退するとある。
まとめると貿易風の強弱で台風の発生個数が変わることだけは間違いない。
これこそ「 風が吹けば桶( おけ )屋が儲( もう )かる 」ならぬ、「 東風が強く吹けば台風が増える 」だろう。