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【 当記事ページの目次 】
「 歌謡界の女王 」と謳われた昭和の歌姫、故「 美空ひばり 」氏。( 本名:加藤和枝,かとうかずえ )【 満52歳没 】
12歳で日本コロムビアより発売された「 河童ブギウギ♪ 」で芸能界に歌手デビューし、「 天才少女歌手 」と大絶賛された。
それから故・美空氏は破竹の快進撃を続け、1989年( 平成元年 )6月24日のAM0:28に「 特発性間質性肺炎 」の悪化に拠る呼吸不全の併発で逝去( せいきょ )されるまでの華々しいご活躍は、あなたも御存知の通りである。
ちなみに生前の美空氏が行った「 不死鳥コンサートin TOKYO DOME 」は29年前の今日、1988年の4月11日であった。
さて、これほどまでの数々の輝かしい栄光を手にした故・美空ひばり氏でも晩年は「 特発性大腿骨頭壊し症、特発性間質性肺炎、肝硬変 」といった3つの病気を患い、結局は特発性間質性肺炎に拠る呼吸不全が原因で亡くなられている。
では、故・美空ひばり氏を苦しめたこれらの3つの病気の主たる「 原因 」は遺伝に拠るものなのか?
それとも、言い方は悪いが「 美空氏本人の生活習慣 」などに拠る不摂生な生活を繰り返した自業自得の結果なのだろうか?
本稿では、これらの病の原因を探りつつ検証を進めて参る所存。
まず1つ目は故・美空ひばり氏が呼吸不全に拠り逝去された直接の原因疾患であった、特発性間質性肺炎にかかってしまった原因を探って参りたい。
そもそも「 特発性間質性肺炎 」とは一体、どの様な病気なのだろうか?
私たちが吸った空気(吸気)は、気道(気管や気管支など)を通過し、最終的に肺の奥にある「 肺胞 」と呼ばれる風船のような部屋に運ばれます。この肺胞には薄い壁があり(肺胞壁、あるいは間質)、その中に毛細血管が流れています。
そこで、吸気中の酸素が血液に取り込まれ、同時に血液中の二酸化炭素が肺胞の中に排出されます(図1左)、
間質性肺炎は、さまざまな原因からこの肺胞壁に 炎症 や損傷がおこり、肺胞壁が厚く硬くなり( 線維化 )、ガス交換がうまくできなくなる病気です(図1右)。
また、線維化が進んで肺が硬く縮むと、気道が代償性に拡張して蜂巣肺といわれる蜂の巣に似た穴(のう胞)だらけの肺になってしまいます。
これは、胸部CTで確認することができます(図2)。
これが、特発性間質性肺炎が発症するメカニズムだが、一般的な「 間質性肺炎 」の要因はアルコール依存、喫煙、自己免疫疾患、薬剤疾患、ほこり、特殊な感染症などの環境因子が指摘されているが、「 特発性 」と呼ばれる物は原因が特定できず、何の誘因も無いのに羅患することがある。
さらに、この他に複数の原因遺伝子が関係している場合もあり、肺の上皮細胞機能に遺伝子異常が疑われるケースもある。
美空ひばり氏は「 肝硬変 」も患( わずら )っていたが、マスメディアに公表する際は病変を控えめにして、「 慢性肝炎 」だと発表していた事は周知の事実である。
肝硬変とは呼んで字のごとく「 肝臓が硬く変化する 」病気で、これがさらに進行すると「 肝不全 」となってしまい、その寿命は予後数年だと言われている。
もともと肝臓は再生機能の高い臓器で半分以上を切除しても元通りになると言われているが肝硬変に、なってしまうと治癒は難しい。
肝硬変の原因の中で最も多いのが「 ウィルス性肝炎 」から来るもので、この肝炎ウィルスだけで肝硬変の実に8割を占めると言われている。
ウィルス性肝炎の場合、いまでは病院での薬剤や注射、点滴などにより殆どの場合、治療が可能である。
そして、肝硬変の原因の15%ほどを占めるのが「 アルコール性肝炎 」である。
美空ひばり氏の肝硬変の原因が何で有るかは専門家では無いので特定は出来ないが、生前の美空氏が大のアルコール好きで有ったことは広く知られている。
これには理由があって当時、美空氏が42歳の若さで親しい友人や肉親の方々が次々に他界された現実への寂しさ、悲しみを紛らわす為にアルコールと喫煙の量が増え続け、一晩で一本半の量を空けることも珍しくなかったという。
特に美空氏が少女子役時代に、周囲の大人たちからの心無い誹謗中傷に身を挺して守ってくれた実母の喜美枝氏【 享年68 】が1981年7月29日に逝去した時のショックは凄まじく、以下のエピソードが残されている。↓
( 以下「 ウィキペディア 」から引用 )↓
「 火葬場にて最後の別れが終わった後、実母の入った棺が、かまどの中に入る際( 美空 )ひばりは大きな叫び声を上げながら本気で一緒に、かまどの中に向かおうとした。
しかし、参列していた高倉健と萬屋錦之介の二人に強く引き止められつつ、ひばりはずっと号泣していたという。」
( 引用ココまで )↑
美空氏がアルコール依存症の域に達していたかどうかまでは分からないが、この様な「 精神の病 」からもアルコールに頼らざるを得なかった生活を送られていたことは想像に難( かた )くない。
このアルコールが及ぼす影響は次章でも述べる特発性大腿骨頭壊し症とも関連が深いが、アルコール性肝機能障害の場合、一般的に言われている措置としては「 休肝日を設ける 」というもの。
そして次の要因が「 脂肪性肝炎 」であり、アルコールから脂肪肝になる場合も有るが、食べ過ぎなどに拠る食生活の見直しを勧めると共に適度な運動量を維持する事が必要不可欠となる。
遺伝に拠る肝硬変の発病の疑いは遺伝に伴う影響が皆無であるとは言い切れないが、その可能性は極めて低いとされる。
故・美空ひばり氏を蝕んだ3つ目の病気は「 特発性大腿骨頭壊し症 」と呼ばれる疾病( しっぺい )
症状としては、血液のめぐりが悪くなることで下図に示した「 大腿骨頭 」部分が“壊し”して潰れる事に拠り圧迫され痛みが生ずる。↓
この病気の特徴としては幸運にも大腿骨頭部位の骨壊し、の部分が少ない場合などは生涯に渡って痛まないケースもある。
危険因子としては2つあり、「 ステロイド薬の服用を一日平均15ミリグラム以上 」か「 アルコールの大量摂取( 毎日二合以上 ) 」などが挙げられる。
主なステロイド薬の用途としては、炎症を抑える働きがあるが様々な副作用も多い事で知られる。
遺伝との関連は、いまの所ハッキリとしたことは分かっていない。
さて、ここまで故・美空ひばり氏を苦しめ命まで奪った特発性間質性肺炎を始めとする3つの大病の原因を検証してきたが、結局の所「 これが原因で彼女の病気が発症した 」と、断言できるまでには至らなかった。
だから「 過度のアルコールと喫煙の生活習慣さえ無ければ52歳の若さで、この世を去ることは無かったのかも 」などと短慮にして浅薄な結論を、ここで出すつもりなど毛頭ない。
ただ、芸能界での様々な苦難や自身の身の回りに起きた辛い体験に対して、その心の重圧から逃れようとして多量のアルコール摂取と喫煙の習慣が有った事実だけは間違い無い様に思う。
東京・目黒区にある大邸宅の中では伝説の歌姫、美空ひばり氏もその重圧からか人知れず夜更けに1人泣く姿も、しばし見受けられたそうだ。
生前の美空氏のトーク番組などを拝見していると、矍鑠( かくしゃく )とした出で立ちで、お話をされている内容などから「 人間が出来ている方 」だなという印象を受ける。
しかし反面、肉親や親しい人達がこの世を去ってしまう別れや様々な重圧から、その寂しさや悲しみを紛らわす為に多量のアルコールや喫煙に依存してしまう
精神的な脆( もろ )さも、持ち合わせて居たように思う。
今から29年前の「 不死鳥コンサート 」に満身創痍の状態で上がったステージで故・美空ひばり氏が語った一言が印象的だ。
「 正直いって、恋もしたい。人間は、どなたもそうなんでしょうけど色気が無くなると歌の中にも色気が無くなってしまう。いまの私の場合、少し失っておりますけれども気を付けようと思っております 」( 場内拍手 )
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