2019年5月8日の朝10時10分すぎに起きた
滋賀県大津市大萱( おおがや )6のT字路での
交通事故で犠牲になった園児2人には、当時
事故現場に駆けつけた医師がトリアージの
「 黒タグ 」を付けたと証言している。
【 本稿の記事ページの目次 】
トリアージで黒タグの意味とは?
大惨事となった8日の事故では、亡くなった
園児2人の他に、まだ1人の園児が重体だという。
事故当時、現場に駆けつけて応急処置に
当たった大津市消防局は、以下の様に話している。
負傷者が多数いたため、隊員は医師とともに、
治療の優先度を判定する「 トリアージ 」に取り掛かった。同50分、医師が1回目の結果を出した。
けがの状況から、助かる可能性が極めて低いことを示す
黒いタグを付けた園児が既に2人いた。その後、2回判定したが、黒いタグの数は変わらなかった。
上のトリアージの黒タグを付けた園児2人が
亡くなった2人の2歳の園児だと思われる。
では、トリアージの黒タグとは何か?
患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して
選別を行うこと。トリアージュとも言う
トリアージは「 選別 」を意味することが
わかったが、では黒タグのランクはどうなるのか?
黒( black tag )- カテゴリー0( 無呼吸群 )
逝去、または生命徴候がなく、直ちに処置を行っても
明らかに救命が不可能なもの。
つまり、トリアージの黒タグはすでに
生命反応が無い、亡くなっている患者で
救命不可能な状態である、という判断のもとに
付けられる色のタグとなる。↓
トリアージの黒タグが付けられたということは、
その時点で、命が絶たれているという判断となる。
大津市大萱の事故現場では、トリアージ黒タグを
付けたあと2回確認したというが、
タグの変更はなされなかったという。
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トリアージで赤タグの意味とは?
では、トリアージで「 赤色タグ 」の意味は何か?
赤( red tag )- カテゴリーI( 最優先治療群 )
生命に関わる重篤な状態で一刻も早い処置をすべきもの。
つまり、トリアージ赤タグの意味とは
救命現場では、治療を最優先させるべき患者に
付けられるタグだと、いうことになる。
と、いうことは生命が助かる見込みがあるが
症状が危機的で重篤であるという状態なのだ。
トリアージで黃タグの意味とは?
次に、トリアージ・タグで黄色の意味するものの
カテゴリーを見て参りたい。
黄( yellow tag )- カテゴリーII( 待機的治療群 )
赤ほどではないが、早期に処置をすべきもの。
基本的にバイタルサインが安定しているもの。
一般に、今すぐ生命に関わる重篤な状態ではないが
処置が必要であり、場合によって
赤に変化する可能性があるもの。
トリアージでは赤タグほと重傷ではないが、
次いで治療が優先されるべき状態の患者に
付けられるタグの色が黃色だということ。
黃色タグのカテゴリーは2となる。
トリアージで緑タグの意味とは?
では、最後の緑色のタグの意味するものは?
緑( green tag )- カテゴリーIII( 保留群 )
歩行可能で、今すぐの処置や搬送の必要ないもの。
完全に治療が不要なものも含む。
トリアージの緑タグは一番、症状が軽いものの
生命反応が無い黒タグよりは治療の優先順位は上だ。
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トリアージタグの各色まとめ
トリアージタグは、色に拠って治療の優先順位が
決められており、赤が最優先、その次が黄色、緑と続き
黒タグの患者の優先度が一番、低くなる。
大量負傷者が発生し、医療のキャパシティが足りない、
すなわち「 医療を施すことが出来ない患者が
必ず発生してしまう 」ことが明らかな極限状況でのみ
是認されるべきものである。
言葉は悪いが、黒タグが「 放置 」される背景には
災害現場の人手が足りない時に用いられるからでは
ないだろうか?
しかし、トリアージの規定が決まっているとは言え、
黒タグが付された園児2人の親御さんは複雑な心境だろう。
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トリアージ[ triage ]とは、フランス語で
「 選別 」を意味するが、極めて合理主義に
基づいた災害現場での救護体制だと感じた。
まだ、意識不明の重体だという園児が1人
いるというが、1日も早い回復を願うばかりである。