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日本製紙の連結子会社である北上製紙株式会社
【 本社:岩手県一関市旭町10-1 】が2018年の
7月31日までに全ての事業から撤退すると
発表した理由は「 原料になる古紙の価格の高騰 」
が原因だと報じられている。
※ 追記 ※
読者様から「 情報源として投稿日時の明示が欲しい 」
との要望がコメント欄から寄せられたので、
以下に詳細な投稿日時を明示させて頂く。↓
公開日時:2018年( 平成30年 )1月17日AM2時55分
【 当記事ページの目次 】
北上製紙が事業から撤退を決めた原因と
なっている古紙の価格が高騰しているのは客観的な事実だ。
昨年2017年だけの推移もしくは
2012年からの推移を見ていると、
極端な高騰は見られないが2000年1月から
2017年7月までの古紙の原料の高騰は明らかだ。↓
[blogcard url=”http://www.kantoushoso.com/jyukyuu/files/price2017nov.pdf”]
上記のPDFファイルのデータ( リンク内の下の図 )は
ダンボール、古新聞、古雑誌の輸出価格と
関東地区の古紙価格の一覧表だが、明らかに
17年間で古紙の価格が高騰している事が、
ひと目で分かる筈だ。
北上製紙は岩手県の東北地方にある会社だが、
むろん無関係な訳は無い。
さて本題は、ここからなのだが
「 古紙の価格が高騰している原因はなぜなのか? 」
という点である。
結論から先に申し述べるなれば、
「 ネット通販の拡大で特に中国が、商品を梱包する
段ボール不足で古紙を集めているから 」が真相である。
中国は全世界の紙の約3分の1を消費する国だと
言われているが生産が追いつかず、
ダンボールの原料となる紙が不足。
古紙に注文が集まり需要に対して
供給が追いつかなくなると、
価格が高騰するのは世の常だ。
段ボールの原料になる古紙が不足した中国は
日本からの輸入に頼らざるを得ないのが現状なのだ。
中国の製紙メーカーの社長は
「 日本の紙は非常に綺麗で匂いもない 」と
品質の良さを認めている。
むろん、中国が紙の原料を輸入している現状だけが
日本の古紙の価格が高騰している訳ではないが、
結果的には大部分の理由を占めているのでは、なかろうか。
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さて、日本の古紙の価格が高騰している理由が
ネット通販の拡大に拠って、中国の段ボールなどを
生産する企業の紙の原料が不足しているからだ
という事が分かった。
インターネットの普及に伴いネット通販が
ダンボールを大量に消費する理由は、言わずもがな
amazonなどを見れば、お分かりいただけるかと存ずる。
そう、送られる商品を梱包する素材は
殆どがダンボールなのだ。
ではなぜ、中国は自国だけでダンボールを
始めとする紙の生産量を、まかなう事が
出来ないのであろうか?[ jump ]
日本製紙は菓子・食品や洗剤の箱に使う白板紙の値上げを再要請する方針を固めました。原料の古紙価格や輸送コストが高止まりしているのが理由です。10~11月の実施を目指し、値上げ幅は10%以上。http://t.co/UdJ98rUdTY
— 日経産業新聞 (@nikkei_bizdaily) 2015年9月1日
生産する紙の原料である古紙を
日本からの輸入に頼らざるを得ない中国は
世界で1位の約14億人もの人口数である。
また、国内総生産の指標を示すGDPも
今では日本を抜いて世界第2位である。↓
[blogcard url=”https://takenori.info/blog/gdp/”]
そんな経済大国でもある中国が、なぜ自国で
十分な紙の供給量を生産できず、原料となる古紙の調達を
日本からの輸入に頼らざるを得ないのか?
その答えは中国国内の環境汚染に対する
「 規制強化 」が深く関係していたのである。
PM2.5に代表される様に中国の環境汚染問題は
深刻化していることから当局は
本腰を入れて取り組んでいる模様だ。
その1つが紙の生産の過程で大量の排水を出す
中国の製紙工場が新たな環境規制に
対応できないなどの理由から相次いで閉鎖。
紙が新たに生産できないとなると、
あとはリサイクル原料である古紙に頼らざるを得ないのが
今の中国の現状である。
中国国内では古紙の価格が4倍に
高騰しているので古紙業者のあいだでも
取り合いが続いているのだという。
上記の影響をモロに受けて事業から
撤退せざるを得なくなったのが
北上製紙なのでは、なかろうか。
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昨年の2017年からは大手の製糸メーカーも
原材料の高騰と減収減益に
頭を抱えている現状が続いている。
結果的に製紙業界全体が取引先に対して
ダンボール製品などの値上げの要求を
余儀なくされているのが客観的な事実である。
( 以下「 段ボール、今秋から値上げ/大手が相次ぎ発表 」から引用 )↓
値上げの理由の一つは、原料となる古紙の国内価格の急騰だ。
ネット通販が伸びている中国向け輸出が増えたためで、
段ボール製品を輸送するトラックの運賃も上昇しており、
「 コスト削減で価格維持に努めてきたが、自助努力での吸収は限界 」
( 王子HD )という。2017年6月29日
( 引用ココまで・出典:朝日新聞DIGITAL )↑
日本の製紙業界最大手の王子ホールディングスでさえ
「 コスト削減の価格維持は自社の努力だけでは、もう限界 」
と言っているのである。
それでも大手は資本力が有るから、まだ良い。
業界第2位の日本製紙の連結子会社で有りながら、
資本力で大手には叶わない北上製紙が
行き詰まるもの無理からぬ話しである。
では、製紙業界第3位のレンゴー株式会社は
どの様な措置を取っているのであろうか?
( 以下「 レンゴー/古紙高騰、物流経費の上昇などで紙管原紙チップボールの価格を改定 」から引用 )↓
昨今、主原料である古紙が高騰し、原燃料や薬品価格
物流経費も上昇しております。当社はこれまで徹底したコストダウンに取り組み、
価格の維持に努めてまいりましたが、もはや
当社単独の努力では抗し難い状況となっております。
( 引用ココまで・出典:e-LogiT.com )↑
上記引用のレンゴーは昨年の2017年、
原材料と運送費の上昇に苦しみ、
自社商品の価格の改定を行っている。
以上の大手3社の厳しい経営環境は
業界第4位の大王製紙も同様である。↓
( 以下「 大王紙、今期一転減益に古紙価格の高騰響く 」から引用 )↓
大王製紙は26日、2018年3月期の連結純利益が
前期比51%減の60億円になりそうだと発表した。これまでは前期比15%増の140億円を見込んでいたが、
一転して減益予想となる。紙の原料となる古紙価格の上昇で採算が悪化しているほか、
主力の洋紙事業も低迷が続きそうなためだ。
( 引用ココまで・出典:日本経済新聞 )↑
製紙業界の上位4社ですら、この有様である。
参照データが2013年のものと、じゃっかん古くて
恐縮ながら前述した製紙業界全体の上位4社で、
売り上げ高の7割にあたる70.8%を占めている。↓
[blogcard url=”https://gyokai-search.com/3-kami.htm”]
業界全体が、もうかっている状態なら
北上製紙のような従業員が90人ほどの
小資本の会社であっても何とかやってこれたが、
業界全体に変化の波が訪れると大手の企業には叶わない。
なにか、良い打開策は無いものだろうか?
[blogcard url=”https://takenori.info/blog/toysrus/”]
以上で古紙の価格が高騰している理由が、
お分かりいただけたかと思うが、では昨年の
高騰した古紙の具体的な価格は、いくら位の
値を付けているのであろうか?
[blogcard url=”http://www.prpc.or.jp/menu05/linkfile/kakaku.pdf”]
上記リンク内のPDFデータを参照しながら、
2017年の古紙それぞれの価格を一覧表に、したためた。↓
上記の一覧表は公益財団法人古紙再生促進センターが2017年11月に調査した関東地区の価格であるが、
聞きなれない種別【 色上/模造/中白/上白 】の解説は下記サイトで詳しく解説されているので、宜しければ。↓
[blogcard url=”http://www.saisei-yasumoto.com/faq/ans/hinsyu.html”]
こうして見ていくと古紙の価格自体は2012年から、さほど変わっていないようにも見受けられるが、内情は火の車なのであろう。
北上製紙は、このまま今年の7月31に全事業を廃止して終わりを告げる運命に有るのか?
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不肖この私めは製紙業界に勤めたことも
無ければ、製紙工場の勤務経験も無い。
いわば、ど素人である。
…が、ふと思ったことがある。
「 梱包材はダンボールや紙製品じゃなくても良くね? 」
[blogcard url=”https://takenori.info/blog/toilet-roll/”]
何が何でも古紙を原材料にする、
紙じゃなければダメな理由は、なんだろうか?
価格の高騰した紙に固執せずに
何か代わりになる素材は、ないものか?
ここで紙以外の製品を生産するとなると、
莫大な設備投資で生産ラインを全て変えなければ
とか言う異論も出てこようが何かアイディアが有る様な気がする。
[blogcard url=”https://takenori.info/blog/hakone-hotel/”]
要は梱包材は原料の価格が高騰した
「 紙 」である必要は無いと思うのだ。
さすがに有害なものは、まずいが例えば
海藻を乾燥させて固めた物とか。
[blogcard url=”https://takenori.info/blog/matsuya/”]
今から十数年前に断熱材の施工屋で独立した
学生時代からの友達に言われた事がある。
「 吹き付けに使う断熱材の余り分は、いつも捨てて居るんだけど何か良い使い道は無いかな? 」
[blogcard url=”https://takenori.info/blog/toilet-paper/”]
…さて、私めは熱烈なamazonユーザーだが、よほど変な梱包材で無い限りは別に、それがダンボールでなくても全く気にしない。
もっと言うと各家庭から出るリサイクル用品の
ペットボトルを再利用して着色し、中身が見えない様にすれば
ダンボールでなくても一向に構わないのであるのだが。
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投稿の年月日の明示がほしい。
いつの状況なのかは、大変重要です。
年月日が不詳であれば、情報の価値がありません
古谷啓伸さま、的確なコメントを、お寄せ頂き誠に有難うございます。
日時が表示されていないことで、ご不便をおかけしてしまい誠に恐縮です。
本稿の公開日時は、2018年【 平成30年 】の1月17日AM2時55分です。
本来なら、当ブログは投稿日時が表示されるシステムなのですが、
何故か本稿は、投稿日時の表示にバグが出てしまっていたので、
冒頭に追記を、させて頂きました。( 原因は不明です )
また何かお気づきの点がございましたら、お問い合わせを
頂ければと思います。