2019年9月9日に、日本列島の関東地方へ上陸した台風15号ファクサイ、別名「 令和元年房総半島台風 」は進行方向の右側、つまり東側の被害が甚大となった。
ところが西側、つまり左側の地域は被害は少なく風力が弱かったのだが、これはどの台風にも当てはまります。
台風の右側が強い理由はなぜか?を分かりやすくカンタンに解説します。
【 本稿の記事ページの目次 】
台風の右側の風が強くて逆に左側が弱い理由
もう一度、繰り返すが基本的に台風は進行方向に対して右側の風速が強い。
右側は、台風を動かす風の向きと中心に向かって吹き込む風の向きが一緒になり、風の勢力が増してしまいます。
一方、左側は台風を動かす風の向きと、中心に向かって吹き込む風の向きが異なるため、互いに打ち消し合い、勢力は右側ほど強くはありません。
上の引用文を、さらに分かりやすくした画像が以下のものです。
台風の「 進行方向の右( 上図の場合は東 )側 」は台風の回転で生じる左へ巻き込む反時計回りの風の向きと進路の向きが一致するので、風力も強くなる。
逆に、台風の右( 上図の場合は西 )側は風の巻き込む方向が進行方向とは逆にあるので、風速も弱くなるのだ。
台風は巨大な空気の渦巻きになっており、地上付近では上から見て反時計回りに強い風が吹き込んでいます。
そのため、進行方向に向かって右の半円では、台風自身の風と台風を移動させる周りの風が同じ方向に吹くため風が強くなります。
逆に左の半円では台風自身の風が逆になるので、右の半円に比べると風速がいくぶん小さくなります。
ちなみに台風の回転方向は、日本列島のある北半球は基本的に「 反時計回りの左巻き 」です。
台風が反時計回りの左巻きの理由は、地球の自転方向が北半球は左回りに回転しているからだ。
上記のことを「 コリオリ力 」と言います。
あくまでも、「 台風の進行方向に対して右側が強くなる 」ので、2018年の迷走台風12号ジョンダリのような進路が東から西へ向かう時には、北側の風力が強くなるのは言うまでもない。
千葉県の東側の房総半島が停電している原因
千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号は進行方向の左側の東京都や千葉県の西部に比べて東部の房総半島周辺が、ひどい状態だが何故か?
何故右側が強いかというと、台風の風は反時計回りのため、台風の右側は
この「 渦による風の向き 」と「 台風自身が進む向き 」が同じのため、
台風の右側では二つの風力が「 合成 」されるからです。
基本的には進行方向に対して台風の右側が風が強いことから、千葉県東部の房総半島付近の被害が甚大だった原因だ。
気象庁公式ホームページ「 台風経路図/台風第15号 」[ https://www.jma.go.jp/jp/typh/1915l.html ]を、
瓦版茨城のブログ運営者が加工して作成。
千葉県の調べでは県内の農林水産業の被害は193億円にも上ると
試算しているが実際には、もっと大きな損害が出ているだろう。
【台風15号 三浦半島通過】
台風15号は9日(月)3時前に三浦半島付近を通過しました。この先は東京湾へ進み、千葉県などに上陸する見込みです。
関東では朝にかけて猛烈な風が吹きます。外出は危険です。厳重に警戒し安全確保に努めてください。https://t.co/NTj5PfZ5DF pic.twitter.com/tn4oOnhXG8— ウェザーニュース (@wni_jp) September 8, 2019
報道されている千葉県の被害状況を見ていると、台風15号ファクサイが通過した
右( 東 )側の房総半島の内側、東京湾よりの被害が特に甚大で非常に著しい。
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しかも追い打ちをかけるように千葉県では16日から大雨が降り、災害によって屋根のない家を襲った。
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東電の会見では千葉県以外の停電地域は13日の時点で復旧しているという。
しかし、さすがに停電の完全復旧が2週間以上先では、あまりにも厳しい。
9月16日現在の千葉県の停電地域の場所はどこ?
台風15号が過ぎ去った後の2019年9月16日の午前11時59分現在も、千葉県全域で約7万9,300軒もの停電地域があるので停電の世帯が
1,000件以上と多い15区域の場所を重点的にGoogle地図で表示する。
以下の空撮動画は木更津市、袖ヶ浦市の停電地域を撮っている。↓
上の一覧表が千葉県全域の停電地域と世帯数となるが16日の今日も、完全復旧の見込みはない。
停電の復旧を妨げている原因に「 樹木の倒壊 」があるが、倒木の撤去作業など
東京電力では今までにない形態の配電線の修復作業となっている。
千葉県全域では、およそ2,000本の電柱が倒壊し特に房総半島の地域では
台風15号の被害で家の屋根瓦が飛ばされたり、壁がえぐられたりと酷い惨状だ。
頑丈なコンビニエンスストアの屋根が丸ごと吹き飛ばされた場所もある。
菅原一秀経済産業大臣【 57 】は一部の地域では完全復旧に1週間以上かかる
場所もあると語っているが、報道では2週間以上はかかると報じられている。
13日の午後8時すぎの東京電力の会見では千葉市、鋸南( きょなん )町、
南房総市、鴨川市、館山市は全面復旧に2週間以上かかるとの見通しだった。
千葉県市原市5,900件の停電地域の場所の地図
16日の午前11時59分現在の市原市では、5,900件の停電があるので場所の地図を以下に。↓
市原市は、停電の世帯が千葉県の中でも多いが不肖この私めの弟も住んでいるので
心配で連絡したところ、幸いにも停電地域からは外れていたので全域ではない。
千葉市および四街道市、市原市などの停電復旧は大幅に遅れているという。
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鴨川市3,800件の停電地域の場所の地図
3,800世帯が停電している千葉県鴨川市のある場所の地図をGoogleマップで。↓
東京電力は会見で、なにしろ電柱が倒壊するなどして道路が寸断されているので
現場に行きづらいから復旧に時間がかかると延べている。
また現場作業員の話しでは、被害のある現地に到着後に人員が集まるという具合なので
復旧作業も、なかなか思うようには進まないということである。
君津市3,900件の停電地域の場所の地図
千葉県君津市長石にある2つの大きな鉄塔が台風15号の影響で
送電線もろとも倒壊したことで、10万件が停電したと報じられた。
君津市は16日午前11:59現在、合計で3,900件の世帯が停電している状況だ。
本日、市原市内において、市原市役所職員を名乗り、「台風で被害を受けた屋根の点検に伺います。」などの不審電話がかかってきています。市原市役所では、台風被害の建築物点検等の電話連絡は行っていません。
このような不審電話は詐欺の可能性があります。ご家族、市役所、警察に相談してください。— 千葉県市原市 (@ichihara_city) September 12, 2019
館山市3,300件の停電地域の場所の地図
千葉県館山市は3,300件もの地域が停電しているが、その場所をGoogle地図で。↓
南房総地域に位置する館山市も台風15号が上陸した千葉市から東側の房総半島に停電の被害が集中している。
東京に近い千葉県松戸市、市川市、柏市、我孫子市などの地域も停電は解消し復旧している。
富津市6,600件の停電地域の場所の地図
16日現在、6,600件の停電が発生している千葉県富津市の地図。↓
南房総市9,000件の停電地域の場所の地図
房総半島の最南端、南房総市の停電被害は千葉県で最大の9,000件に上る。
千葉市4,400件の停電地域の場所の地図
千葉市の停電地域は、緑区が約3,100軒と若葉区約1,300軒の合計が
4,400件となっているが、千軒あった中央区の停電は解消されている。
千葉市緑区の位置が、どこかの地図をGoogleマップで。↓
千葉市若葉区の場所がどこかの地図画像。↓
木更津市3,200件の停電地域がどこかの地図
東京湾アクアラインの乗り入れ口になっている木更津市の地図。↓
停電の件数は3,200件と、半数近くに解消されたが地図を見ると
やはり停電の地域は房総半島付近に集中していることが分かる。
つまり台風15号が上陸した千葉県千葉市から主に南東側となる。
山武市7,700件の停電地域がどこかの地図
次に7,700件の停電が確認された山武市の場所が、どこにあるかの地図。↓
香取市2,200件の停電地域がどこかを地図で
2,200件が停電している千葉県香取市の場所の地図。↓
八街市7,600件の停電地域がどこかの地図
次に、7,600件の停電が確認されている千葉県八街市のある場所の地図。↓
いずれも千葉県の房総半島がわ、台風15号が通過した東側に停電のみでなく
電柱が折れたり、鉄塔が倒れたりといった甚大な被害が集中している。
千葉県知事から、香取市、八街市、南房総市、君津市、富津市、山武町、多古町での入浴支援の要請を受けました。これら地域の皆さんに明日からお風呂を提供できると思います。これからも、被災地の皆さんに寄り添った支援を行ってまいります。
— 河野太郎 (@konotarogomame) September 12, 2019
甚大な被害が集中したのが原因かどうかは分からないが、千葉県の他の地域が
9月13日に比べて停電件数が半数近くに減少しているのに対し、八街市は
8,100軒から、わずか500軒前後しか解消しておらず復旧が遅れている。
詳しい理由は本稿の最終章で述べるが、通過した台風15号の右側が
左に比べて風力が強い事が理由に挙げられる。
袖ケ浦市2,400件の停電地域の場所の地図
冒頭の動画で電気が消えてい真っ暗だった停電地域の袖ケ浦市の場所が何処かの地図。↓
[blogcard url=”https://takenori.info/blog/water-supply/”]
印西市1,500件の停電地域の場所の地図
1,500軒の停電被害が報告されている印西市の場所が、どこかの地図。↓
[blogcard url=”https://takenori.info/blog/yoro-river/”]
大網白里市2,900件の停電地域の場所の地図
大網白里市は2,900軒が停電中であるが、場所の地図をGoogleマップで。↓
台風15号が通過した東( 右 )側の被害が甚大な地域が大規模な停電を引き起こしている。
千葉東沿岸は、房総半島の北端の銚子から房総半島の南側に位置する洲崎までの延長約230kmです。
千葉県の房総半島の北端が銚子で、南端が南房総市となるが
まさに房総半島全体に停電の被害が集中している状況だ。
長柄町2,100件の停電地域の場所がどこかの地図
2,100軒の停電被害が出ている千葉県の長柄町の場所。↓
停電被害の件数が約900軒の鋸南( きょなん )町では、台風15号の影響
で屋根が吹き飛ばされた家屋が多くあり、いずれもブルーシートで覆われている。
本当は停電の世帯が少ない地域も含め千葉県全体では、もっとあるのだが
全ての地域を掲載すると長くなるので以上までとする。
停電地域の9月27日までの東京電力の復旧の見通し
停電の復旧には最長で2週間かかる地域もあると報じられているが、東京電力が
PDFファイルで公開している9月27日まで復旧予定の地域別の一覧表。↓
[blogcard url=”http://www.tepco.co.jp/press/release/2019/pdf3/190914j0101.pdf”]
むろん東京電力の見通しなので実際には完全復旧までには来月の10月に、ずれ込む地域もあるだろう。
千葉県内の給水や充電場所のリンクと一覧の地図
上の一覧地図が千葉県内の給水ポイントや充電場所や避難施設をまとめたもの。
そして以下が、NHK NEWS WEBが提供している停電情報も含めた
給水所や充電ポイントおよび避難施設の最新情報で随時更新される↓。
[blogcard url=”https://www5.nhk.or.jp/saigai/chiba/linfo/f/index.html?title=%E7%94%9F%E6%B4%BB%E9%96%A2%E9%80%A3%E6%83%85%E5%A0%B1&subtitle=%E5%81%9C%E9%9B%BB%E5%BE%A9%E6%97%A7%E8%A6%8B%E8%BE%BC%E3%81%BF”]
停電のみならず今後の生活に於いて、極めて重要な情報源となる。
[blogcard url=”http://www.tepco.co.jp/press/release/2019/pdf3/190914j0102.pdf”]
上のリンクは東京電力パワーグリッドが公表している「 ご提供可能な資機材等の一覧 」PDFファイルで、
避難所でのポータブル充電器、携帯用充電器( 電池付 )LEDランタン( 電池付 )の貸し出しと、
電気自動車は、東京電力の社員がオペレーターとしてサービスを提供する案内だ。