3.11東日本大震災なぜ逃げなかったのか3つの明確な理由

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3.11東日本大震災なぜ逃げなかったのか3つの明確な理由

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daishinsai

人間の持つ正常性バイアスの働き

 2018年の3月11日の14時46分18秒で3.11東日本大震災の発生から7年が経過する。

3.11東日本大震災では実に2万2千81人もの方々の尊い命が犠牲となった。

以下に東日本大震災で、お亡くなりになられた方々と避難者数の人数を示す。↓

《 3.11東日本大震災での犠牲者数と避難者数 》
犠牲者数 行方不明者数 震災関連で亡くなった方の数 避難者数
岩手県 4,674人 1,116人 464人 8,539人
宮城県 9,540人 1,223人 926人 9,133人
福島県 1,614人 196人 2,202人 1万6,471人
全国 1万5,895人 2,539人 3,647人 7万3,349人

東日本大震災の津波から逃げなかった、
つまり、すぐに避難されなかった方々の理由は
様々あると思われるが、少なくとも
以下の3つは当てはまる。↓

  • 人間の持つ正常性バイアスが働いたため
  • 気象庁の津波警報システムの誤報
  • 車で避難したため渋滞に巻き込まれた

正常性バイアスとは「 人間は自分自身に取って不都合な情報は遮断する 」という思考回路の働きを指す。

だから、3.11地震が発生してから津波が発生して避難警報が鳴ってからも「 自分だけは大丈夫 」という考えが働くのである。

3.11の映像で津波が後方に迫っているのに、
ゆっくり歩いている、お爺ちゃんを
お見かけしたが、きっと正常性バイアスが
働いていたのではないかと思われる。

あるいは避難を始めたタイミングが
遅かったために津波の犠牲になった
方々も、いらっしゃる。

3.11の様な大地震とか、大津波じたいが日常的に発生しない災害である事も正常性バイアスに拍車をかける原因になるのだろう。

正常性バイアス 」より引用↓

自分にとって都合の悪い情報を無視したり、
過小評価したりしてしまう人の特性のこと。

【 引用ここまで↑出典:Wikipedia 】

大津波警報の津波の高さの誤報

 3.11東日本大震災が起きてから逃げなかった人々が犠牲になった元凶は、マグニチュード9の大地震の影響よりも津波に拠る被害が甚大だ。

ギネスにも認定されていた世界最大規模を誇る10メートル級の防波堤が難なく破壊された。

特に岩手県の宮古・重茂姉吉で生じた津波の高さは40.4メートルを記録している。↓

しかし、ここで気象庁が総力を結集して開発した津波警報システムが誤報を伝えてしまったのである。

ところが、3月11日( 2011年 )の大地震で
気象庁が最初に出した警報の津波の高さは、
宮城県では6メートル、岩手と福島両県では
3メートルだった。

【 引用ここまで↑出典:JCASTテレビウォッチ 】

その後、気象庁は誤報の修正を行い津波の高さを2倍、4倍と引き上げて伝えたが時すでに遅し。

多くの犠牲者が出た原因が気象庁の津波警報システムのせいだとは思わないが、一因になっていることは現実だと思う。

実は気象庁には津波発生から3分以内に津波警報を知らせなくてはならない命題があったのだ。

1993年に起きた北海道南西沖地震では地震発生から津波が到達するまでに早い地域で3分と掛からなかったので多くの方が逃げ遅れてしまったのである。

北海道南西沖地震の教訓を活かし、気象庁は地震発生から3分以内に津波の高さなどの情報を知らせる新しいシステムの開発を余儀なくされた。

結果的に速さと引き換えに精度の低い津波警報システムを作動させる破目に、なってしまったのである。

車で渋滞にはまり津波に飲まれた理由

 3.11の津波から避難するために車を使った多くの方々が波に飲まれて亡くなった。

災害時に車で避難すること自体には賛否あるが、基本的に津波は人間の歩く速さの何倍もの速度が出るので、個人的には有りだと思う。↓

ただし臨機応変さも必要で、渋滞に巻き込まれたら時には車を捨てて逃げる勇気も必要だ。

東日本大震災の津波では渋滞に巻きこれた車が逃げ場を失って犠牲になった方々もいると聞く。

つまり、津波がすぐ近くまで迫っているのに
そのまま渋滞にハマり続けて巻き込まれたという経緯だ。

じつは、車に乗っていたドライバーの多くは
たーだ悠長に待ち続けて津波に飲まれたのではない。

本当に津波が自分のところに来るまでは、
どの方向からどのくらいの速度でやってくるか
わからないといことです。

【 引用ここまで↑出典:YAHOO!知恵袋 】

3.11震災当時、テレビで報道していた津波が押し寄せる映像はヘリコプターなどに拠る上空からの空撮映像だ。

なので、あなたの様な視聴者がわからしたら容易に現状が把握できるが、実際に現場にいるドライバーからの視点ではない。

ドライバーからの視点では、自分のすぐ近くに津波が迫っている危機的な状況すら把握できていなかったのでは、なかろうか。

また、「 非常時なんだから生真面目に渋滞の車列に並んでないで田んぼでも走れば? 」との書き込みも有ったが、じっさいに田んぼの中を走行していた車の映像も確認されたとのコメントも有った。

明治三陸沖地震の教訓は活かされず

 2011年の3月11日に発生したのが東日本大震災だが、過去には1933年( 昭和8年 )3月3日に起きた「 昭和三陸地震 」と、
3.11の震災と同レベルの災害だった1896年( 明治29年 )6月15日に起きた明治三陸沖地震( 明治三陸沖大津波 )でも多数の犠牲者が、お亡くなりになっている。

  • 東日本大震災:2万2,081人
  • 昭和三陸地震:3,064人
  • 明治三陸沖地震:2万1,959人

実は昭和三陸地震で発生した大津波で多くの方々が犠牲になった事を踏まえて、姉吉集落に「 大津波記念碑 」なるものが建てられている。

大津浪記念碑に刻まれている内容は以下の通り。↓

高き住居は児孫の和楽、想へ惨禍の大津浪、此処より下に家を建てるな

2011年に起きた東日本大震災よりも78年前に起きた災害の教訓は、残念ながら全く活かされなかった様である。

では3.11の震災後、低地での家は建てなくなったのか?

復興自体は非常に重要な事柄では有るが、上の動画を見る限り決して低地に家を建てなくなった訳では無い様子。

実は今回の東日本大震災と同等の、甚大なる被害が発生した明治三陸沖大津波の直後も、一時的に43の集落が高台に避難したが、すぐに低地に戻ってきたと言われている。

やはり、数十年に一度の大津浪となると人々の記憶からは風化していくものなのだろうか?

東日本大震災級の地震と津波が起きたら

 津波の速さは陸地でも時速36キロものスピードが出ると言われている。

さきほどは震災の避難に車を使う事の是非を取り上げたが、津波の避難に求められるスキル( 技術的な能力 )は、速さも重要だが、もっと大切な要素がある。

当たり前の様に受け止められるかも知れないが、
より高い場所に避難すること 」が一番、重要だ。

上記リンク内の政府広報オンラインの公式サイトでは「 大津波警報が発令されたら、10メートル以上の高台に逃げること 」を推奨している。

では、10メートルというと、ビルなどの建物では何階に相当するのだろうか?

建物に拠って誤差は、あるものの大体1階が3メートルだと言われている。

なので、10メートルだと4階以上の建物の最上階に避難しなければならないが、それでも大津記念碑の有る姉吉地区では40メートル級の津波を記録している。

だから、4階建ての建物の最上階に逃げ込めば絶対安全かと言われれば、そんなことは無い。

しかし避難しなければ、なにも始まらない。

そういえば、「 被災地が東京ではなくて、あっちの東北の方でまだ良かった 」などと過去に自民党の二階派パーティーで、壇上のスピーチを行い失言した大臣が失脚した。

ちょっと話しが横道に逸れたが、3.11の東日本大震災でなぜ逃げなかった方々が、いたのかという説明は以上になる。

災害は、ある日突然やってくる物だと言う事を肝に命じて頂ければ幸いである。

“3.11東日本大震災なぜ逃げなかったのか3つの明確な理由” への2件のフィードバック

  1. 浜川順平 より:

    自分の身は、自分で守る事はできるはずです

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