サグラダファミリアの完成予定日はいつ？完成しない4つの理由

1883年のビリャール氏の辞任で遅れた

　サグラダ・ファミリア[ sagrada-família ]
を日本語に翻訳すると、聖家族贖罪（ しょくざい ）
教会となるが、なにしろ136年たってもいっこうに
完成する気配を見せない。

ちなみに贖罪教会に意味は「 信者の寄付や献金 」
ということであり日本で言えば、お寺の檀家さんが
寄贈する様な位置づけだと思われる。

2018年になって、ようやく「 2026年に完成 」
との見通しが報じられる様になったが、なぜ工事が
ここまで遅れに遅れまくっているのか？

いろいろ調べた結果、主な理由が4つある事が
分かってきたので本稿にて、お伝えして行きたい。

まず、サグラダ・ファミリアの工事が遅れた
4つの理由のうち、第一の原因が初代建築担当の
「 フランシスコ・ビリャール 」氏【 1828-1901 】
が建て方の監督に就任してから、わずか1年あまりで
「 …やーめた！ 」とポイしてしまったことにある。

建築家のビリャール氏がサグラダ・ファミリアの
監督を1年あまりで辞任した理由は「 クライアントと
意見が対立して喧嘩別れした 」事による。

上がサグラダ・ファミリア初代担当の
建設責任者のフランシスコ・ビリャール氏で
下が当初の設計図らしき図面である。↓

ビリャール氏がサグラダ・ファミリアの
建築責任者をポイしてから、2代目の監督として
白羽の矢が立ったのが、当時はまだ無名だった
建築家の「 アントニ・ガウディ 」氏【 享年73 】だ。

現場責任者がビリャール氏からガウディ氏に変わった事で
工事が遅れた理由は「 設計図を1から考案し直した 」から。

間違えやすい名前だが「 アントニオ 」ではなく、
アント二・ガウディ【 AntoniGaudíi Cornet 】が正しい。

1926年にガウディ氏が逝去後に工事が遅れた

　今のサグラダ・ファミリアを設計した2代目監督の
アントニ・ガウディ氏は、1926年6月7日に
メガネを忘れた事で段差につまづき、
運悪くそこを通過した路面電車に轢かれて
73年の生涯に幕を閉じた。

ガウディ氏が逝去した時点で、サグラダ・ファミリアは
まだ完成していなかったが、その後も継承者が
建築を続け、2018年現在は9代目設計責任者の
ジョルディ・ファウリ氏が監督をされている。

しかし、1936年から始まったスペインの内戦で
サグラダ・ファミリアに関する設計図が殆ど焼失する
危機に見舞われながらも、設計図を復元したりという
奮闘をしながら、建設を継続してきた。

つまり、ガウディ氏が逝去された事と後の
スペイン戦争による設計図の焼失が、
工事が遅れた2つ目の理由だ。

ガウディ氏が生きていれば、スペイン戦争でサグラダ・ファミリアの
設計図が焼失しても、すぐに再設計できただろうし
スペインの内戦じたいが無ければ、工事も
遅れることは無かったのかも知れない。

膨大な建築費用が集まらないから完成しない

　もともと、サグラダ・ファミリアは完成までに
300年もの期間を要すると言われてきたが、
ラフタークレーン等の重機の導入や、3Dプリンター
などの技術の発達で、2026年の完成予定が見込まれる。

それでも、136年の歳月を経ても完成せずに
工事が遅い3つ目の明確な原因としては、やはり
「 建設費用が足りない 」からである。

まさか完成していたなんて…pic.twitter.com/BZeFV65zNU

— 究極の世界 (@kyuomoshiro) 2019年3月28日

冒頭でも、ご説明させて頂いたように日本では
お寺を運営するに当たって、信者の中に
檀家（ だんか ）さんが寄贈して
成り立っているのと同じだ。

SagradaFamíliaの建物は遅かった。

それは私的な寄付（ それにお金を贈る人々 ）
を必要とした。

上は、海外版のウィキペディアだが、
下の日本版のウィキ情報にも同じ内容が記されている。

贖罪教会なので、資金調達は信者の喜捨に頼ってきた。

資金不足により工事が遅々として進まない状況であったが、
1990年代以降に拝観料収入が増えて資金状況が好転した。

つまり、なかなか建設資金が集まらない中でも
細々と工事を続けて来たが、1990年代に入り
檀家からの寄付だけではなく、観光客からの
見学料で建設資金が、まかなえる様になったのである。

さらには、長年続けられてきた違法建築だった
サグラダ・ファミリアの工事再開を果たすことが出来た
お金の拠出も拝観料収入から支払う事が出来たのである。

2010年に工事がストップして遅れた理由

　2018年現在のスペイン・バルセロナ市の
市長は、女性の人権活動家、アダ・クラウ氏
【 44 】で、工事再開の合意を自身の公式
ツイッターで祝福されている。↓

Acord històric amb la Sagrada Família dsp d 130 anys sense llicència! Aportaran 36 milions en 10 anys pel veïnat i el barri:
✔️22M en #transportpúblic
✔️7M en accessibilitat a #metroBCN
✔️ 4M per reurbanització de carrers
✔️ 3M per manteniment, neteja, seguretat i agents cívics pic.twitter.com/AKXhQVJN0r

— Ada Colau (@AdaColau) 2018年10月18日

「 合意 」というのは、サグラダ・ファミリアを
建設する運営側と、バルセロナ市当局が取り交わした
契約の事で、一定の金額を支払うことで合意した。

つまり、1882年にフランシスコ・ビリャール氏が
建設を手がけてから、2006年に高速鉄道AVEの
トンネルを真下に掘る計画が浮上するまでに、
サグラダ・ファミリアは行政に届け出をせずに
作っていた違法建築物だったのである。

違法建築の問題が、2010年以降に工事が中止されて
遅れた4つ目の理由になろうかと思われるが
2018年現在は合意したことで無事に工事は
再開されていると報じられている。↓

100年以上にわたって違法な建築工事を進めてきたとされる
スペイン・バルセロナの観光名所「 サグラダ・ファミリア 」
の管財当局は20日までに、同市当局に今後10年間で
計3,600万ユーロ（ 約46億8,000万円 ）を支払い、
合法的な工事許可を得ることで合意したと発表した。

2010年以降にサグラダ・ファミリアの
工事が一旦、ストップしたことは事実だが
違法建築だから工事を止めらていたかどうか迄は
あくまで不肖この私めの推測なので、もし
間違いが有れば、ご指摘を頂ければと思う。

2026年完成予定と工期が短縮できる理由

　確かに、工事開始から136年も経っている
2018年現在も、いまだに完成していない
サグラダ・ファミリアは「 遅い 」のかも知れない。

しかしながら完成予定年が2026年というのは、
当初の予定の300年に比べれば格段に早まった！

では、なぜサグラダ・ファミリアの工期が
300年から144年と半分以上に短縮できたのか？

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それが、冒頭で申し上げた様にクレーン重機の導入や
3Dプリンター技術による高度なシミュレーションや
コンピュータ数値制御の発達、PC構造解析などの
新らしいIT技術の進歩に依るところが大きい。

晩年は、ホームレスと見紛うほどのみすぼらしい格好で
まさかサグラダ・ファミリアの設計者とは思われずに
不遇な最期を遂げた故アントニ・ガウディ氏は、
完成した贖罪教会を見て、何を思うのだろうか？

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蛇足なるがサグラダ・ファミリアは贖罪教会で
信者からの寄付、日本で言えば「 お布施 」で
建設費用を賄ってきたとされる。

日本の、お寺で言えば檀家さんという
位置づけになるが、集まった寄付金は
坊さんでも自由には使えない様である。

以前に勤めていたシロアリ工事の施工会社の
営業職をしていた時に、直に聞いた話しだが
とあるお寺で白蟻防除の400万円の契約が
決まり、工事を行ったという。

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だが、白蟻防除工事の契約自体が住職の
独断で契約したことで、後に檀家さんから
かなり怒られた、と言っていたという。（ 笑 ）

つまり、お寺の住職であっても集まった
お金は自分の裁量だけでは使えないのである。

サグラダ・ファミリアの場合は、どうだか知らないが…