2020年9月15日現在、米軍の最新情報で台風11号ノウル[ noul ]たまご発生で、熱帯低気圧の進路予想図は?
【 本稿の記事ページの目次 】
米軍情報9月16日AM2時30分に台風11号が発生
まずは、アメリカ海軍JTWC台風合同警報センターの2020年9月16日の午前2時30分( JST )現在の衛星画像から、ご覧いただきたい。
図の記載はトロピカルデプレッション( TD )だが、テキストの警告文#2は「 トロピカルストーム( Tropical Storm )」TS、つまり台風となっている。
上のアメリカ軍の11号の進路予想図は、9月19日の午前3時ごろに減衰しながらもベトナムからラオス、タイの辺りに上陸している。
( Hạ cánh từ Việt Nam đến Lào và Thái Lan khi đang phân hủy vào khoảng3 giờ sáng ngày19 tháng9 )
さらに、17日から18日にかけて「 強い階級 」の勢力に成長するものの、日本列島へは接近せずに離れていく見通し。
たまごの段階だった15日の午前3時には、フィリピンの真上に警報が出された熱帯低気圧90Wが移動していた。
そして、すでに過ぎ去っているが、9月12日の土曜日の午前6時( JST )に熱帯低気圧の対流活動で熱帯撹乱の97Wが形成されたことで米軍JTWCから発行された、Tropical Depression12Wの進路予想図。↓
上図の熱帯低気圧は13日の午前3時には日本の関東地方に最接近しながらも台風11号に成長することなく温帯低気圧に変わった。
以下の一覧は過ぎ去った熱帯低気圧の強さを日付ごとに示したもの。
- 9月12日【 土曜日 】の最大風速
- 午前3時/25KTS/12.85m/s
- 午後3時/30KTS/15.42m/s
- 13日【 日曜日 】の予想風速値
- AM3時/30ノット/15.42m/s
- PM3時/30ノット/15.42m/s
- この熱帯低気圧は消滅して11号には発達せず!
このTD12Wは最も発達しても最大風速は15.42m/sなので、台風の既定値である毎秒17m/sには満たず熱帯低気圧のまま消滅している。
JTWCの重要な熱帯気象勧告によれば、24時間以内に熱帯低気圧( Tropical Depression )に発達する可能性が高い対流活動の赤丸の「 高:HIGH 」を示していたが、台風11号には成長しなかった。
9月10日の午後9時時点の存在位置を示す、JTWC熱帯低気圧形成警報WTPN( Warning Tropical cyclone Pacific North )21の画像での存在位置は日本列島から非常に近い場所にあった。
つまり米軍情報で令和2年9月11日の午前2時30分は、まだ熱帯低気圧( TD )は発生していないものの、熱帯撹乱円97Wの対流活動が生じていた。
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米軍JTWC台風11号TS13W2回目の警告文の内容
米軍JTWCから発行されている現在の重要な熱帯気象勧告のテキスト文の内容。↓
台風11号「 TS13W 」のある位置の16日の午前3時時点の座標は北緯が12.8°N、東経が118.4°Eとなる。↓
沖縄県糸満市の南端から約1,765km( 1,097.08マイル )南西の南シナ海の海上にある。
( Sau khi mạnh lên thành bão cấp độ mạnh trên Biển Đông lúc3h sáng ngày18/9, sẽ đổ bộ vào lúc3h cùng ngày và sẽ gần vị trí nhất cách thành phố Hồ Chí Minh650km. )
すでに消滅しているが、前回の日本列島に接近した熱帯低気圧の米軍テキスト警告文では、TD発生の場所などが記載されている。
では、米軍TCFA熱帯低気圧形成の警報( Tropical Cyclone Formation Alert )の内容は?
WTPN( Warning Tropical cyclone Pacific North )は、「 北太平洋の熱帯低気圧の形成警報 」という意味で「 21 」は米軍の通信で使用されている番号だ。
- グアム警報センターから9月11日の午前0時に発行
- 9月10日の午後9時の97Wの存在位置
- 北緯/25.4°N
- 東経/141.0°E
- 移動の方位/西北西の方向
- 進む速さ/12ノット/時速約6キロ
- 最大風速15~20ノット7.7m/s~10.28m/s
内容の日本語訳は以上の通り。
ウェザーニュース社の予報では、この熱帯低気圧は台風に発達するのではなく大雨を降らせる雲であると発表している。
ヨーロッパ予報で9月17日の午後9時に低気圧が
次に、ヨーロッパ中期予報センターによる、9月17日の木曜日の午後9時( JST )の気圧配置図を。
17日の午後9時の予想では台風の卵となる弱い風力の等圧線が見える。
しかしながら、この弱い低気圧が台風11号のたまごである可能性は、まだ低い。
自動更新機能付きWindyの9月15日の等圧線は
上のアニメーション画像が自動更新機能つきのWindyの「 ECMWFモード 」だ。
前章で引用したヨーロッパ中期予報センターの気象データがベースになっているが、5章で引用したEarth Wind Mapのデータを使うGFSモードもある。
画面下にあるスライダーバーを移動させて9月18日の金曜日の午前10時の予報図を見てみる。↓
南シナ海に等圧線の中心気圧992hpaの低気圧が発生しているが、台風11号に発達するかは不明。
しかし海面水温が高いことから今後は、めまぐるしく状況が変わるので、リアルタイムで最新情報を表示してくれるウィンディはぜひ、ブックマークしておきたい。
気象庁JMAの48時間天気図と海面水温の状況は
次に、日本の気象庁が発表している予報で、台風11号の熱帯低気圧は発生しているかを見ていきたい。
気象庁公式HP「 予想天気図9月16日21時 」[ https://www.jma.go.jp/jp/g3/index.html ]を「 瓦版茨城 」のブログ運営者が加工して作成。
フィリピン・ルソン島の西側の南シナ海に米軍JTWCの熱帯撹乱円97Wがあるのと同じ場所付近に中心気圧1,002hpaの熱帯低気圧が見える。
この熱帯低気圧が台風11号の卵なのかは11日の時点では分からない。
次に9月5日時点の北西太平洋海域の海面水温を見ていきたい。
気象庁公式HP「 日別海面水温9月5日 」[ https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/sst_HQ.html ]を「 瓦版茨城 」のブログ運営者が加工して作成。
フィリピン海は、ほぼ全面がピンク色の高温30℃を示している。
特に2020年は平年よりも2~3℃高く、かつ広範囲に日本列島も覆っているので台風のエサとなる水蒸気が大量に発生することから、11号が発達しやすい好条件が整っている。
Earth Wind Map気流画像での11号たまごは?
上は、earth.nullschool.netが提供している「 Earth Wind Map 」の気流の引用画像だ。
2020年9月15日( 火曜日 )午前9時の時点では台風11号たまごらしき気流の渦がフィリピン上に確認される。
気流の渦が見える場所の座標位置は、北緯が11.71° N東経が122.63° Eで米軍JTWCの熱帯撹乱90Wが有る場所と、ほぼ同じフィリピン大陸上となる。
ちなみにearthの気象データは、「 国際環境予測センター ( Global Forecast System ) 」がベースになっていて、WindyのGFSモードの基にもなっている。
さらにGFSは、アメリカ海洋気象庁National Oceanic and Atmospheric Administration【 NOAA 】や、アメリカ国立気象局NATIONAL WEATHER SERVICEの気象データがベースとなっている。
2019年に離れた台風11号から発生した大雨被害
2019年8月に発生した台風11号が衰退した温帯低気圧から発生した「 湿暖気流 」からのバックビルディング現象によって雨雲である積乱雲が連続的に生まれた。
2019年の台風11号は、日本から遠く離れた南シナ海( 東ではない )にあったが、九州地方に猛烈な豪雨を降らせたのである。↓
九州地方の南東方面にある温帯低気圧から吹く、湿った温かい空気が活発な雨雲である線状降水帯を何重にも作り出して、佐賀県や久留米市で猛烈な大雨を降らせた。
しかも太平洋高気圧の影響で線状降水帯が固定化され、雨雲がなかなか動かないために甚大な冠水被害が生じたのである。
2020年の台風12号も離れた場所にあるが、間接的な影響をこうむる場合もあるので油断は出来ない。
台風11号ノウル[ noul ]の名前の意味は夕焼け
73/北朝鮮( 朝鮮民主主義人民共和国 )Noul ノウル/夕焼け
台風11号ノウルは、北朝鮮によって台風委員会に73番目に登録された名前だ。
ノウルの意味は「 夕焼け 」だが、命名の由来や語源は?
おそらく「 台風一過 」という言葉があるように、台風が過ぎ去った後に空が晴れることで夕焼けが見れることから来たのではないか?
台風が過ぎ去ったあとに晴天となるのは、台風が高気圧を引き連れてくることや、台風がエネルギーとして空気中の水蒸気を吸収していくことが原因として挙げられる。
ただし、台風のあと必ずしも好天に恵まれるとは限らない。
そういえば、むかし「 夕焼けニャンニャン 」とかいうバラエティー番組が夕方に放送されていたことを思い出してしまった。
今後も台風11号の最新情報が更新され次第、本稿も随時、書き換えていく所存。