国土交通省/気象庁公式ホームページ「 海面水温実況図 」[ https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaikyou/kaikyou/tile/jp/
index_sstanl.html#zoom:3/lat:11.417909/lon:148.010187/mapheight:600/colordepth:deep/element:sst ]を、瓦版茨城のブログ運営者が加工して作成した。
9月12日に気象庁が16号ペイパーの、たまごとなる熱帯低気圧aの発生を発表したが、いったん消滅した後に再び15日の午後9時に台風に発達した。
フィリピン海の海面水温は26.5℃以上の30℃と高かったにも関わらず、12日以後は発達せずに消滅した理由は何故なのか?
台風が発達成長する条件は海面水温の他に4つある
大規模な停電が発生した千葉県の房総半島を中心に甚大な被害をもたらした台風15号ファクサイに比べて、同様に日本列島に近づく台風16号ペイパー[ peipah ]のタマゴは成長せずに、減衰して消滅した理由は何故か?
台風が発達・成長する条件は、海面水温が「 26.5℃以上の高さ 」があるだけでは、ダメな場合がある。
海面水温が高いと、海上に台風のエサである水蒸気を大量に発生させるが、さらに加えて以下の4つの条件が整っている必要がある。
- 対流圏下層で低気圧性渦度( 回転力 )がある
- 上空と地上付近の風の差( 鉛直シア )が小さい
- 台風の対流圏中層が湿っている
- 台風の気流の空気が乾燥していない
- 台風周辺の海面水温が26.5℃以上
上の記述は2013年の台風13号を例に取っているが、2019年の台風16号が成長しない原因も複合素因が揃っていなかったから。
台風が発生・発達する条件はいくつかありますが、まず対流圏下層で低気圧性渦度があること。
渦を巻く力が弱いと、台風のエネルギーである水蒸気を、効率よく集めることが出来ません。
次に上空と地上付近の風の差( 鉛直シアという )が小さいこと。風の差が大きいと、台風の渦が壊れてしまいます。
さらに対流圏中層が湿っていることというのも、重要な条件です。
なぜなら、台風中層が乾燥していると、台風上層から降ってきた雨が蒸発し、雨が蒸発するときに熱を奪うからです。
つまり中層に乾燥域があるということは、台風域内の温度を下げ、水蒸気の潜熱をエネルギーとする台風にとっては、発達が抑えられることになってしまいます。
( 注:水は蒸発するときに熱を奪い、水蒸気が水に戻るときに、その熱を出す )
衛星画像をご覧いただくとわかりますが、台風の北西方向に、黒い部分( 乾燥域 )が舌のように侵入しています。
この乾燥空気の存在が、今回の18号がいまひとつ発達しきれない理由だと考えられます。
台風が発達して成長する条件は海面水温が26.5℃あると言われるが、9月15日のフィリピン海の水温は30℃あった。
海面水温が高いだけでは台風は発達せず、さまざまな複数の条件が必要なのである。
台風15号の甚大な被害の爪痕が残る状態で、追い打ちをかける台風16号には発達してもらいたくないが。
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台風16号ペイパーのアメリカ米軍JTWCの進路予想図は
米軍JTWC合同台風警報センターの台風情報では台風16号の、たまごらしき
熱帯撹乱「 95W 」の赤色の予報円が台風16号の、たまごになることはなく
「 97W 」が熱帯低気圧「 TD17W 」に発達して、さらに15日には台風へと成長した。
9月16日の月曜日の午前6時の米軍JTWCの最新情報では、日本列島に向かうものの強い台風には成長しない。
台風16号の米軍JTWCの警告文の存在位置を地図で表示
台風16号ペイパーの熱帯撹乱がHIGHの赤丸に変わったことで、米軍は
「 Tropical Cyclone Formation Alert 」( 熱帯低気圧発生注意情報 )を発行したが、
その後、新たにTD17Wを台風16号#5回目の警告文を発行した。
さっそく上から順番に、熱帯低気圧発生の注意情報の内容を翻訳していきたい。
16日の午前3時( z=UTC世界標準時からJST日本標準時に+9時間で修正 )
時点の熱帯低気圧の存在位置は北緯19.6°N、東経146.8°Eなので地図で場所を示す。↓
沖縄県糸満市の南端から2,084.97km( 1,295.54マイル )東南東のフィリピン海の、北マリアナ諸島の北側の海上にある。
気象予報士の森田正光氏【 69 】によれば、マリアナ近海は「 台風のエリート養成所 」と
よばれ、海面水温が高いことから1959年の伊勢湾台風ヴェラも発生しているとのこと。
移動の方角は330°で北北西の方向だたが、進行スピードは時速38.8キロと
競技用自転車のロードバイクが走るスピードにまで上がった。( 21ノット )
最大風速は秒速17.99メートル毎秒なので、米軍のトロピカルストームの基準値である
最大風速17.2m/sには、ギリギリ到達したが今後は衰退の一途を辿る予報なので一安心か。
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ヨーロッパ予報の進路予想図は台風17号が台湾接近か
ヨーロッパの中期予報センターECMWF( European Centre for Medium-Range Weather Forecasts )
では勢力の弱い台風16号ペイパー[ peipah ]の進路予想図は表示されず、
代わりに等圧線が、はっきり見える台風17号らしき24日の画像が見れる。
上の画像は、2019年( 令和元年 )9月24日の火曜日の午後9時の
( UTC世界標準時⇒JST日本標準時に修正 )台風17号らしき進路予想図だ。
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台風16号の進路予想図の最新情報を自動更新で見れる
ヨーロッパ予報の気象データをベースにして生成された「 Windy 」なら
動く映像で台風16号の進路予想の経路が見れる上に常に最新の情報に自動更新してくれる。↓
気象庁発表で台風16号ペイパーが9月15日に発生した
気象庁公式ホームページ「 台風経路図/全台風表示 」[ https://www.jma.go.jp/jp/typh/ ]を、
瓦版茨城のブログ運営者が加工して作成した。
では、台風16号の卵の状態である令和元年9月16日のフィリピン海の海面水温は、何℃あったのか?
気象庁公式ホームページ「 日別海面水温2019年9月16日 」
[ https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/data/db/kaikyo/daily/sst_HQ.html ]を、
瓦版茨城のブログ運営者が加工して作成した。
近海はいずれも、30℃前後の海面水温を示しているので台風が発達する基準の26.5℃を、ゆうに超える。
日本列島に向かう2019年の台風16号は、さらに発達するのだろうか?
13日12時の予報/強さ – 存在地域フィリピンの東
予報円の中心
北緯 19度55分( 19.9度 )
東経 132度25分( 132.4度 )
進行方向、速さ 北北西15km/h( 9kt )
中心気圧 994hPa
最大風速 18m/s( 35kt )
最大瞬間風速 25m/s( 50kt )
予報円の半径 190km( 100NM )
台風16号に発達する予報の13日午前12時の存在位置は、
北緯が19度55分、東経が132度25分なのでGoogle地図で。↓
沖縄県糸満市の南端から839.51km( 521.65マイル )南南東の
フィリピン海の海上に移動しており、中心気圧は994ヘクトパスカルだ。
進路は北北西に進む予報なので日本には向かってこないが今後、変わる可能性もある。
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令和元年9月15日の午後3時現在の台風16号の卵の位置
令和元年9月14日の午前6時現在の台風16号の、たまごの位置は
北緯が16.23°N、東経が149.23°Eにあるので、Google地図で以下に示す。↓
小笠原諸島の父島からは、1,405.84km( 873.55マイル )南南東の
フィリピン海の海上に台風16号ペイパーの、たまごである熱帯低気圧がある。
今後は米軍JTWCも進路予想図を出してくると思われるので、
最新情報が公開され次第、本稿でも随時、更新していく所存。
繰り返すが、17日の時点では台風15号ファクサイと同様に16号ペイパーも日本に来る予報だが強い台風には成長しない見通しと、なっている。
ちなみに台風16号ペイパー[ peipah ]の名称の意味は「 魚の名前 」で命名国は中国のマカオ特別行政区である。