

2025年( 令和7年 )の6月11日の午前9時に新たに発生しました、今年の台風第1号ウーティップ( Wutip )の今後の進路予想などの最新情報を速報でお伝えします。
2025年首個登陸中國大陸的第1號颱風「WUTIP/蝴蝶」的路徑預測
【 記事の目次 】
中国大陸へ上陸後の米軍JTWC6月15日の進路予想図
日本時間で14日の午後3時に風速55KTS( 気象庁の最大風速に換算すると、毎秒24.51m/s )の状態で、南シナ海から北上して中国大陸へ上陸した台風1号ウーティップ。
その後の進路予想を見ますと、衰退しながらも大陸を北東方向へ進む進路予想です。
16日の早朝の予報を見ても「 Issued at14/0900Z 」、つまり発行時間は14日の午後3時のままの状態で「 #16 Final Warning( 最終警告 )」が表示されているので、予報は更新されていませんね。
この後の台風1号は弱まりつつ、消滅へ向かうものと見られます。
米軍JTWCによる台風1号6月13日の進路予想図
上の画像が、米軍JTWCによるPGTW6月13日の午前0時発表の台風1号の進路予想図です。
このあと勢力を衰退させながら、南シナ海より中国の海南島の西側のトンキン湾を北上して、あす14日の午後9時には中国大陸へ上陸する進路予想図が描かれています。
米軍JTWCの衛星画像で台風1号が発生
上の画像は米軍JTWCの2025年6月12日の午前3時( 日本標準時 )の衛星画像ですが、「 TS( Tropical Storm )01W“WUTIP” 」の赤い文字の表示がありますね。
これが新たに発生しました台風1号ウーティップになりますが、今後の進路予想図をご覧ください。↓
13日の午前9時に予想される風速が、50KTS( 日本の最大風速に換算すると、毎秒22.28m/s )なので、それほど強い勢力に発達することもなく、このあと海南島を通過して中国大陸へ上陸する進路予想です。
中国大陸へ上陸した後に北東方向へ進みながら勢力は衰退しますが、問題はこのまま衰退して消滅するのか、それとも東シナ海の海上へ出て来て再発達するのか、というところ。
米軍JTWCの衛星画像で熱帯低気圧が発生
上図の米軍JTWC衛星画像は2025年6月の10日の1800Zなので、日本標準時に修正すると11日の午前3時の実況画像になります。
日本列島および、沖縄地方からも一定の距離が離れている南シナ海の海上に「 TD( tropical depression )01W( WEST )」の表記が見えますが、これが台風1号のタマゴとなる熱帯低気圧です。
以下の画像が、TD01Wの今後の進路予想図。↓
南シナ海の海上を北西へ進んだあと、海南島へ上陸してから中国大陸へ再上陸する進路予想となっています。
そして、もっとも勢力が最大になる予報日時が12日の夜9時で、その時の予想数値は55KTS( ノット )、予想される位置は中国の海南島の南です。
日本の気象庁は世界気象機関WMOが推奨している10分間平均の最大風速( m/s )を使っておりますが、JTWCはアメリカ合衆国の標準である1分間の平均風速を用いているので、10分間平均風速に対して1.15倍になる誤差が生じますので( 内閣府防災情報 )1÷1.15=0.867倍します。
そうなってきますと、最大風速の計算式は55KTS×0.514×0.867=24.51m/sとなります。
熱帯低気圧の予報値は、それほど強い勢力ではありませんが報道されているとおり暖湿気流からの線状降水帯が発生すると、日本列島から距離が離れている南シナ海にあっても2019年の台風12号ポードル( PODUL )のような災害級の豪雨被害があるので注意が必要です。↓
米軍JTWCの熱帯擾乱( ねったいじょうらん )の衛星画像

衛星画像のISSUE TIME( 発行時間 )は、2025年5月25日の06Z( ズールー/UTC《 Coordinated Universal Time:協定世界時 》)なので、日本標準時( Japan Standard Time )に修正をすると、25日の午後3時となります。
黄色文字の表示は「 NO SUSPECT AREAS 」つまり疑わしい領域はありません、となります。
したがって、25日の午後3時時点においては台風の発生領域である北西太平洋域( ABPW《 Abbreviated Pacific West 》 )の略図においては、活発な対流活動を表す熱帯擾乱( じょうらん )の低気圧は発生していない、ということです。

さらに以下の画像が米軍JTWCのABPW域の6月9日の午前3時時点( 日本標準時 )の衛星画像です。↓
フィリピンの東側の海上に、「 92W( WEST/西 )」の活発な対流活動を表す熱帯擾乱( ねったいじょうらん )の黄色い警報円が描かれていますね。
黄色の意味は、24時間以内に熱帯低気圧に発達する可能性は低い( LOW/低 )ものの、監視対象であるということ。
さらに上の画像が、同6月10日の午前3時のJTWC衛星画像。

熱帯擾乱の警報円が南シナ海へ西よりに移動しているのが分かりますでしょうか?
米軍JTWCの衛星画像の見方は、以下の記事で詳しく解説しています。↓
6月15日の午前3時に熱帯低気圧に変わった台風1号
気象庁の15日の午前3時の予報で、中国大陸へ上陸した台風1号は再び「 熱帯低気圧 」に変わりました。
16日の朝( 午前4時半すぎ )の台風情報では「 現在、台風情報は発表していません 」との表示が出ていますので、すでに台風1号ウーティップは消滅しています。
気象庁13日の午前3時50分発表の台風1号の進路予想図
気象庁公式HP「 台風第1号(ウーティップ)/台風経路図 」を、瓦版茨城のブログ運営者が加工して作成。
上の画像は、気象庁6月13日の午前3時50分発表の台風1号の進路予想図です。
このあと南シナ海を北上しながら、トンキン湾を通過したのち中国大陸へ上陸する進路予想。↓
13日15時の予報 種別 台風
強さ - 存在地域 トンキン湾
予報円の中心 北緯19度00分(19.0度)
東経108度20分(108.3度)
進行方向、速さ 北北西15km/h(7kt)
中心気圧980hPa
中心付近の最大風速30m/s(55kt)
最大瞬間風速40m/s(80kt)
予報円の半径65km(35NM)
暴風警戒域 全域155km(85NM)
日本列島および、沖縄地方からも遠く離れた場所の南シナ海を移動しているので、直接的な暴風の影響は受けない可能性が非常に高いですが、今後の動向には警戒が必要です。
間接的な影響として考えられるのが暖湿気流の流入による線状降水帯の発生で、災害級の豪雨が九州地方に波及する事例も過去に発生していますので。
気象庁発表で台風1号が2025年6月11日の午前9時に発生
平年に比べると、じゃっかん遅めとなる昨日11日の午前9時に南シナ海の海上、北緯16度10分、東経113度55分において熱帯低気圧から台風1号ウーティップ( Wutip )に変わりました。
台風第1号が発生しました。
11日9時、南シナ海の北緯16度10分、東経113度55分において、熱帯低気圧が台風第1号になりました。
台風は1時間におよそ15キロの速さで西北西へ進んでいます。
気象庁から発表されている、台風1号の今後の進路予想図をご覧ください。↓
南シナ海から北上しながら海南島を通過して中国大陸へ上陸したのち、北東方向へ転向( 台風の向きが変わること )して進む予想。
そして、16日の午前9時には中国大陸上で熱帯低気圧に変わる予報になっています。
気象庁の台風1号の最新情報で熱帯低気圧aが発生
気象庁公式HP「 熱帯低気圧a/台風経路図 」を、瓦版茨城のブログ運営者が加工して作成。
6月11日の午前1時10分の気象庁の台風情報で、ついに南シナ海の海上において台風1号ウーティップのタマゴとなる、「 熱帯低気圧a 」の発生が発表されました。
11日15時の予報:種別 台風
強さ-
存在地域 南シナ海
予報円の中心 北緯15度55分(15.9度)
東経112度05分(112.1度)
進行方向、速さ 西北西 ゆっくり
中心気圧 994hPa
中心付近の最大風速18m/s(35kt)
最大瞬間風速25m/s(50kt)
予報円の半径85km(47NM)
気象庁の最新情報では、きょう11日( 水曜日 )の午後3時には台風1号へ発達する予報です。
2025年4月21日( 月曜日 )の午前1時8分時点の気象庁の台風情報です。
「 現在台風情報は発表していません 」ということですから、現時点では台風のタマゴとなる熱帯低気圧も発生していない、ということになります。
さらに6月9日の午前3時の時点でも台風1号も、そのタマゴとなる熱帯低気圧も、まだ発生しておりません。
WindyのGFSモードによる台風1号の等圧線
Windy( ウィンデイ )のアメリカ海洋大気庁NOAA( ノア )の気象予報モデルをベースとするGFSモードによる気圧配置の等圧線をみると、30日( 金曜日 )の午後6時に台風1号の候補となりそうな低気圧の等圧線が九州地方の西の海上、東シナ海に見えます。
ですが、大気循環の移り変わりを断続的に見ていくとこの低気圧の等圧線はかなり高緯度な位置からの発生が描かれているので、台風の卵となる熱帯低気圧であるかは、非常に微妙な発生場所ということになります。
さらに上のWindy画像が6月9日時点の最新情報で、GFSモードの予報日時6月13日の午前5時の台風1号の候補となる等圧線の予想位置。
台風の目の中心は南シナ海の海上にあり、進路予想は中国大陸へ向かって北上する予報となっております。
上の埋め込み映像の△再生ボタンを押すと、連続した大気循環の変化の予測シミュレーション映像が見られます。
台風1号2025ヨーロッパECMWFの最新情報
では、世界最高クラスの予報精度を持つと言われる、ヨーロッパ中期天気予報センター( European Centre for Medium-Range Weather Forecasts )ECMWFによる台風1号の最新情報は?
上図は、ECMWFによる2025年6月13日の午前6時の台風1号のタマゴとなる熱帯低気圧の進路予想図です。
南シナ海の海上において、中国の海南島に上陸せんとする位置にまで最接近しているのが分かりますね。
予報日時は、2025年5月31日(土)03UTC( 日本標準時では午前12時 )の、850hPa( 海抜約1.5km )における風速( m/s )を予報値で表したもの。
日本列島の南の海上に同心円状の等圧線が見えますが、これは台風ではない可能性が極めて高いです。
台風発生に重大な影響がある海面水温実況図
台風のタマゴとなる熱帯低気圧および台風発生の重要な条件のひとつが海面水温26.5℃以上であるが、5月31日時点の海面水温実況図を見ると、フィリピン近海は30℃の真っ赤っかな状態がプロット( 描画 )されています。
むろん、海面水温が高いという単一の要素だけでは、かならずしも熱帯低気圧が発生して台風へと成長・発達するとは限らないのですが。
上の動画内で不肖この私め自身が詳しく解説していますが、台風発生の条件は海面水温の他にも以下の5つの主な条件があります。↓
- 対流圏下層で低気圧性渦度( 回転力 )がある
- 上空と地上付近の風の差( 鉛直シア )が小さい
- 台風の対流圏中層が湿っている
- 台風の気流の空気が乾燥していない
- 赤道からある程度の距離が離れていること
逆に、高い海面水温の他に、これら5つの条件がすべて完全に揃わないと台風が発生しないとも限らないので、その時々の気象条件によって結果は左右されるということになりますね。
以下の記事は、2019年に海面水温が高かったにもかかわらず、台風16号ペイパー[ peipah ]の前身となる熱帯低気圧が、いったんは発生したのに、そのあと消滅した経緯を徹底解説している。↓
台風1号ウーティップWutipの名前の意味は?
2025年の台風1号が発生すると、そのアジア( 国際 )名はウーティップ( Wutip )となり、すでに台風委員会によって決められています。
命名国:マカオ・名前:Wutipウーティップ/意味:ちょう(蝶)
ウーティップ( Wutip )の名前の意味は、「 蝶( ちょう )」であり、命名国はマカオです。
ターンテーブルの順番は35番目なので、今年の台風1号はすでに名前が決まっているというわけ。
では、前回の台風ウーティップの発生日時は、いつ?
前回の台風ウーティップは今から6年以上前の2019年( 平成31年/令和元年 )の台風2号でしたね。↓
昨年2024年の台風1号の発生日時は?
昨年2024年( 令和6年 )の台風1号イーウィニャ( EWINIAR )の発生日時は5月25日の午後9時でしたね。↑
以下が台風1号2024年イーウィニャの実際の経路図になります。↓
赤く着色してあるのが日本列島ですが、上陸ルートではなく関東地方へ「 接近 」した経路図となっています。